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最愛 【黒子のバスケ】

第4章 揺れる心


あたしが休みの2日間のうち大我は1日仕事で雑誌の取材を受けていた。

3時に帰ってきた大我がぐったりしてるからどうしたのかと思えば、取材内容がバスケとは関係ない恋愛の企画で、最初に質問書をもらった時から考えていたのに返答に困ったのと、メイクさんがお話し好きでずっと喋ってたらしく質問攻めで疲れちゃったみたい


「あーもーマジでお前に頼みゃよかった」

「あはは!お疲れ。でも大我はモテモテだって青峰さん言ってたよ。雑誌出たら買って読んじゃおー」

「は!?読むなよ。つーか全然モテモテじゃねーよ」

そういえば大我って好きな人いないのかな?

まぁいたとしてもあたしには教えてくれなさそうだけど

もし彼女ができたら仲良くなれたら嬉しい
大我は優しくていい奴だから絶対いい人と巡り会って欲しい

あたしのお世話ばっかりじゃ可哀想


「そーいやお前昨日服も着ねぇで何読んでたんだ?」

「あー。あれね。フランスのフレグランスメーカーが出した新作の香りらしくて横浜でもらったんだけど、それのコンセプトが書かれてる紙」

「ふーん。お前香水付けねーじゃん」

「お休みの日はたまにつけるよ。仕事の時は付けないけど」

「今日つけてんのか?」

「うん。くさい?」

「いや、全然分かんねー」

やっぱ下着につけても分かんないのかな?と思って寝室から持ってきて大我に近づいた

「あ、分かるわ」

箱を渡す前に気づいたみたい。
やっぱりこれくらいの距離で匂いを感じるなら仕事の日は付けられない。

匂いは好き嫌いがあるし妊娠してるクライアントさんもいるから自分が好きな香りでも仕事の日は使わない


「なんか初恋をイメージしてるらしいの。でも20代後半の女が初恋って…ねぇ…
香りは好きなんだけどコンセプトとあたしの年齢と合ってないから、もしこれが発売になって使ってることがバレたら恥ずかしい」

「ははは!誰もそんな事気にしてねーよ!それに初恋が何歳だって別にいいだろ。俺は恋愛って回数や年齢じゃねーと思ってる。誰とするかだ」


…びっくりした

大我から恋愛の話なんて聞いたことなかったからそんな風に思ってたなんて知らなかった。

それに……
まるであたしのことを言っているかのように聞こえたから




だからあたしも少し話を聞いて欲しくなった






「ねぇ。聞いてくれる?」

「いいぜ」
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