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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


side青峰

夕食を済ませてみさきと一緒に空港に入る。

俺は国内線だからまだ時間はあるけどみさきは国際線だからそれに合わせて早めに入った。

好きな女を見送ることがこんなに寂しいと思わなかった。
LAで別れた時は母親とのこともあったし、何よりもまだ同じ国にいるってことで寂しさはあるものの今のような辛い感じはしなかった。

会えない期間で言ったら前回のLAから今回までのほうが断然長げぇのに、日本まで見送る今のほうが辛い。


1か月後にまた会えるって分かっててもどうしようもないくらい離したくなくなる。

罰ゲーム付きのオセロで、恥ずかしがって真っ赤な顔をするみさきが目を泳がせながら長いまつげをバサバサ動かして、俺の名前を呼んだとき死ぬほど可愛くてまた名前を呼ばせたくなった。
鈍感なみさきは教えた護身術を事もあろうに俺に使って逃げ出してテストじゃないのとか頓珍漢をさく裂させてくれたけどそれもすげぇ笑えた。
それにきちんと教えたとおりにできてたからテストだったら合格だ


初恋のことを聞かれて誰にも言ったことのなかった自分の気持ちを初めて人に話した

火神と頬を合わせて挨拶をするって聞いた時めちゃくちゃ嫉妬した。

みさきの初恋のきっかけを聞いて、俺に似てるって思ったのと同時にそんなにそいつが好きなら俺には全然勝ち目がねーのかもって思った。

でもみさきを諦めることなんて考えられなかった。

俺をマッサージしてくれる小さくて柔らかくて温かい手がたまらなく心地よくてマッサージを覚える代わりにみさきの手をずっと触っていたかった。

「好きな人に寝起きにしてあげて」って言われたからみさきにやる。
シカゴの次一緒に過ごせるのがいつかなんて全然分かんねぇけど、シーズンオフで日本に帰ったら寝起きじゃなくてもやることにする。

空港で抱きしめようとした瞬間、みさきから今までにないくらいしっかり抱きしめられた。
挨拶でするようなハグでも、俺が抱きしめた時に返してくる控えめな抱きしめ方でもなく、俺がいつもみさきを抱きしめる時のような強い抱きしめ方で俺に抱き着いてきた。


なんだこれ…こんなことされたら勘違いする。
俺は好きだからみさきを強く抱きしめるけどみさきが何でこんな風に俺を抱きしめてくるんだよ。

なんとなく、ほんの少しだけ、みさきも俺を好きになってくれんじゃねーかって気がした
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