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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


「痛いっ!指先はツボが多いからそんなに力入れちゃダメなの」

「そんな力入れてねぇよ」

「じゃあもっとそっとやるの。青峰君は手が大きいし握力もあるから今の力の半分でいいの」

「みさきの手が小さいんだろ?」

「小さくないです。むしろ大きめ」
嘘だけど

「んなわけあるか。知ってる女の中で一番小せぇわ」

「次小さいって言ったらペナルティーね」

文句を言いながらもあたしの言ったとおりにやってくれてあたしもすごく気持ちいい。

「青峰君は手が大きいからこうやって手を挟んでギュってしてあげるのもいいよ」って言うとあたしの手を青峰君の手で挟んでぎゅってしてくれる。

「すごい気持ちいい。あたしみたいにむくみやすい人はこれすごくいいの」

護身術の時と同じように一通り復習をして全部ちゃんとできたから「合格だよ」って言ったら、「次会ったらやってみる」って言ってくれた。

これで青峰君を好きな人がハンドマッサージのテクニックに感動して青峰君をいいと思ってくれたら本望。

きっと彼女ができたらしばらくは辛いけど時間が忘れさせてくれる。

それにこれはあの時のように傷つけられて辛いんじゃない。恋が叶わなかったっていう自分ではどうしようもないことだし、いろんな人が経験する辛さだからしたほうがいい経験なのかもしれない。
パットだって言ってた「メイクは感性。いい恋愛しなさい」って。

これは間違いなくいい恋愛。
青峰君が言ってた“あと1年”まで残り4か月ちょっと
シカゴの後はしばらく会うこともなくなるだろうけど気持ちを昇華させるにはその方が都合がいい。

一緒に軽井沢の星を見ようって言ったことは叶いそうにないけど、今回思いがけず一緒に過ごせたんだからそれでおあいこだよね。


飛行機に乗らなきゃいけない時間が来て国際線のあたしに合わせてくれて一緒に空港に入る

「会えて良かった。帰ったら番号変えて連絡しろよ」

「うん。明日休みだからすぐ行って変えるね。また連絡する」

「またシカゴでな」

「チケット本当にありがとう。さつきたちも絶対喜ぶと思う」

「いいって。日頃の感謝だ」

いつも青峰君からハグしてくれるけど今日はあたしからしたかった
シカゴではできないかもしれないから挨拶じゃないハグで思いっきりぎゅっと抱き着いた

お別れは寂しいけどまた会えるならこの痛みも悪くない

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