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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


「なんかオセロみたいだね」

「確かにな」

白いあたしと黒い青峰君。

「久しぶりにやりたーい」

「できんのか?」

「できるよ!」

昔入院してた時によく真太郎が一緒にやってくれた。
一回も勝てなかったけど…
真太郎は頭良すぎてズルい

「じゃあ負けた方が罰ゲームな」って言ってオセロを頼んでくれて二人でオセロをはじめた。

こんないいお部屋に泊まっていい大人が白と黒の服を着てオセロやって罰ゲームしてるなんて絶対誰も思わないよね。

「あ、そこ置いちゃダメ」

白いあたしの駒が次々と黒に変えられてボードの半分以上が黒に染まる。

「お前弱すぎ」

「ちゃんとセオリー通り角取ってるのに何で!?」

「こういうのは臨機応変にやるんだよ。セオリー通りじゃ勝てねぇの。じゃ罰ゲームな」

すっごい嬉しそうに言うからまた意地悪されると思った。

「何やらせるつもりなの!?」

「名前……青峰君じゃなくて、名前で呼べ」

「…え!?むむむ無理‼」

「なんでだよ!火神も緑間も呼んでんだろ!?」

「だってそれは昔からだもん」

「罰ゲームなんだから拒否権ねぇんだよ」

「…くん?さん?」

「は?」

「だから、くんってつけるかさんって付けるかどっちがいい?」

「どっちもいらねぇよ。呼び捨て」

さすがに呼び捨てはできないと思ったから聞いたのに全然参考にならない答えが返って来てがっかり。

恥ずかしすぎて近くのクッションを顔に当てて下を向いて意を決して名前を呼んだ

「……き」

「聞こえねぇからもう一回」

「ヤダっ!もう言ったもん」って顔を上げたら捕まった。

テーブルの幅が広すぎるから隣に座ってやってたのが仇になってソファの角に追い込まれて大きな手で頬を挟まれた。

もしかして護身術のテストかな…

接近されて後ろに逃げ道がなかった時の為に教わった対処法で、体を縮めて隙間から逃げ出して青峰君の背中をドンって押してソファに倒して素早くテーブルの反対側に逃げた。

「このっ!教えたことを早速俺に使うとはいい度胸だな」

「え!?護身術のテストじゃないの!?」

「んなわけねーだろ!こっち来いこの鈍感女!」

「やだっ!!今そっち行ったらまた意地悪するでしょ!それにあたしは鈍感じゃないの!」

大きなテーブルの周りをぐるぐる逃げ回ってたけどスポーツ選手に敵うわけない。


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