第10章 wherever you are
ホテルでも大会の様子が生放送で見れてちらちらとみさきが映る。
すぐ近くにいてもうすぐ会えると思うと試合の後でもフライトを取って正解だった。
グランプリの背の高い女にハグされて何か言われて、嬉しそうに笑って涙を浮かべるみさきがめちゃくちゃ綺麗で、その女にまで嫉妬心が芽生えた。
そろそろ迎えに出れば渋滞があっても8時には着けると思って車を回してもらって行き先を伝えた。
『マディソンスクエアで一人拾ってジャンジョルジュに行ってくれ』
みさきとディナーならこの間味の分からなかったジャンジョルジュだと思って電話を入れたら運よく空いていた
『時間は確定できねぇけど9時頃2人で。適当にコースでいちご以外の生の果物とアボカドはアレルギーだから抜いてくれ。あとはエビを多めにしてくれればなんでもいい』
当日のわがままにもNOとは言わねぇこの店は、接待や会食で着飾った奴が多いからあの格好のままでも浮かねぇ。
時間が押したせいか慌てたように出てきたみさきの、いつもより体に沿ったラインのロイヤルブルーのロングドレスはいつもの何倍もみさきを色っぽく見せた
俺の贈ったコートとアクセサリーが目に入って荷物を運転手に受け取らせてすぐに引き寄せた。
強めに抱きしめるとこの間と変わらずしっくりくるみさき
抱き心地が良すぎて離したくなくなる。
「おかえり」
「ただいま」
すげぇいい
めちゃくちゃ綺麗だ
緩く腰に回った腕と向けられたデカイ目に、キスしたくなるのをなんとかこらえて車に乗せた。
寒いのが苦手なみさきが熱を出したら可哀想だ
車の中でいつもみたいに腰を引き寄せて話すとまた顔を真っ赤にして下唇を緩くかんで、可愛さも鈍さも健在で、いつもは電話越しの声がすぐ隣から聞こえて、いつもは想像でしかねぇ表情が目の前にある。
「今日トラブルで食事抜いちゃったから、お腹ぺこぺこなの」
「何時から食ってねぇの?」
「えと……朝青峰くんと電話する前に食べて、それが最後」
もう12時間以上前じゃねーか
クライアントに振り回されんのは分かるけど飯食えねぇのはすげー心配。
「大丈夫かよ」
「うん。でもいっぱい食べちゃうかも」
可愛すぎだろ……
もうどんだけでも食えばいい