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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


side青峰

みさきのメシは火神が言ってた通りにどれも旨い。
味も濃すぎないし彩も良くてあいつがみさきの家に泊まった時に外食をほとんどしねぇ理由がはっきりわかった。

火神は贅沢病だ。

外食をすれば少なからず砂糖や化学調味料を体に入れることになるけど、みさきが作ったものはそういうものが徹底的に排除されていて、尚且つその時のコンディションに合わせた食事を用意してくれんだから外食なんてしたくなるわけもない。

みさきが言う普通は一般的な普通とはかけ離れてる。
めちゃくちゃ自分に厳しいのに俺にはすげぇ優しい。
前に空港で俺に「もっといい女狙えるのに」とか言ったあの頭空っぽ女に、コイツよりいい女がいるなら今すぐここに連れて来いって言ってやりたくなる。

小柄で華奢だからパッと見て、すっげぇそそるいい女って訳じゃねぇかもしれねぇけどみさきの魅力はそんな浅いとこじゃねぇんだよ

顔は好き嫌いがあるけど俺はみさきの顔はすげぇ好きだし、華奢なところも小柄なところも可愛いと思う。
そして何よりもみさきの中身がめちゃくちゃよすぎて、他の女に全く興味が沸かないどころか女なのか男なのかすらどうでもいい。
俺にとっての女はみさきだけだ。

だから俺はみさきに振られたら一生独り身だ。

そんなことを考えながらみさきが作った飯を食って最後に果物だけが残った。

イチゴに手を伸ばすみさきよりも素早くイチゴの入った入れ物を取って、イチゴのヘタを取ってみさきの口に入れる。

「イチゴおいしー」

もぐもぐしながらニコニコするみさきが可愛くてたまんねぇ。

今ある果物でみさきが食べれんのはイチゴだけなのに、俺にもくれようとするから断ってまたみさきの口にイチゴを入れる。

「もっと食うか?」

「うん。欲しい」

「口開け」

みさきが自分で食わないように俺の近くにイチゴを置いてみさきの口に入れる。

「ちょーだい」って可愛くねだられると理性がぶっ飛びそうになる。

今までそんなこと一度も思わなかったけど、食事とSEXは似てる。
みさきが俺にいちごをねだって俺が口に入れる。

みさきを抱く代わりにいちごを食わせる俺は多分相当イカれてる。

もし付き合えたとして、みさきを一生抱けなくてもいちごを食べさせるこの行為がその代わりだ。
一緒にいて幸せだと感じられたら、別に抱けなくてもそれでいい
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