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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


あたしはきっと誰かにこうして認めてもらいたかった。
存在意義があるって誰かに認めて欲しかった

自分に自信がないからこそ生まれる強烈な承認欲求。


「泣くなよ…お前に泣かれるとどうしていいか分かんねぇ」

「泣いてない…」
またバレバレの嘘をつく

「じゃあそういうことにしといてやる」

あたしの嘘に付き合ってくれる優しい青峰君は相変わらずあたしを抱きしめてくれてるから、少し胸を借りて呼吸を整えて、涙が止まって顔を上げるとすごく優しい顔であたしを見てる青峰君と目が合った。

あたしが笑ったらあたしの大好きな優しい顔で笑い返してくれた。


「ごめんね」

「何で謝るんだよ」

「…服にファンデーションつけちゃった」

軽くお化粧をしてたのに泣き顔を見られるのが嫌で、それをすっかり忘れて顔を押し付けたせいで白いセーターにファンデーションが付いてしまった。

「マジかよ。まぁ今回は許してやる」

「着替えある?」

「あぁ。あとで着替える」

「ダメだよ。落ちなくなっちゃう」

「しょーがねぇな」

あたしを離したと思ったらその場で脱いで渡されるからびっくりした。

「コンシェルジュに頼んでくんね?」

「うん。分かった」

コンシェルジュに電話を入れてクリーニングをお願いすると、すぐに取りに来てくれて『クリーニングが終わりましたらご自宅にお届けします』と言って持って行ってくれた


今度もシンプルなVネックだけど、色は黒で全身黒になっちゃったけどそれもかっこいい

「青峰君全身黒になっちゃったね。ごめんね」

「服なんて着てりゃいいから気にすんな」

「あたしも着替えてくる」

青峰君を全身黒にしちゃった責任を取って黒い服は今回持って来てないから全身白に着替えた。

白のセーターと白のミモレ丈のペンシルラインのスカート

「ははは!なんで全身白なんだよ」

「だって黒の服持って来てないんだもん。これで許して」

「お前面白すぎだ。でも…似合ってる」


この人といるとどんなに辛いことも忘れさせてくれるんじゃないかって思えてくる。
実際に忘れることなんてできないけど、思い出さなくていいくらい幸せになれるんだと思う。

でも、あたしはきっと青峰君を幸せにしてあげることはできない。だから自分の気持ちに蓋をする。せめて友達でいられるように




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