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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


「あと10分」とか言ったくせしてスマホのアラームを止めて寝続けるみさき。

無防備に俺に抱きしめられたままスヤスヤ寝やがって。
俺のことをまるで男だと思ってねぇな…

あと10分が20分30分と経過したところでそろそろ起こそうと名前を呼ぶのにちっとも反応しねぇから、耳元で名前を呼んでみた

「みさき。起きろよ」

くすぐったそうに耳を肩に寄せたと思ったら「やぁ」とか言って甘ったるく拒否されたけど…

こいつ…わざとかよ‼
俺がめちゃくちゃ我慢してんの知ってて試してるとしか思えねぇ程エロい声で起きるのを拒否してる。

一回落ち着け俺……

とりあえずベッドを出て落ち着いてから起こそうと思ったのにみさきが俺のガウンを掴んでて離さねぇ。

クッソ‼可愛いことしやがって…
出るにでれねぇだろ。

起こして一緒にベッドから出るために強めに肩を揺らして起こすと不機嫌そうに「んー…おきます」ってのろのろ喋る。

やっと目を開けてベッドの中で小せぇ体をいっぱいに伸ばして“はぁ…”ってため息をつくみさきがもう色っぽくておかしくなりそうで、必死に理性と戦う俺に天が味方した。

「本当はまだ5分残ってるでしょ?」

そんなわけあるか‼
全くどうしたらそんなに時間の感覚がぶっ飛ぶくらい寝れるんだよ…
猫じゃねぇんだからよ。

みさきの頓珍漢な一言のお陰で俺の気分も一気に落ち着いて、ベッドに座ったみさきが筋肉痛になってねぇか聞いてみると腕だけで済んでるらしくやっぱりそれなりに運動はしてんだと思った。


「ひじ打ちしちゃったところ大丈夫?」なんて聞いてくるけど試合中ならあの程度の接触はよくあることだったから平気だというと「よかった」ってほっとしたような顔をしてた。

みさきの力じゃ相手がスポーツ選手じゃ効果は薄いかもしんねぇけど、一般人なら一定の効果はあるはずだ。

それに教えたのは相手の怯んだ隙に逃げる方法だったから、やられた側も数秒は動きが止まるものの怪我まではしねぇ。
それでも逃げられなかったときは急所を狙えって教えた。

それともう一つ
“怖いと感じてもそれを相手に悟らせるな”

恐怖を見せたら付け込まれる。
怖がってると思われる前にその場から逃げ出すことが大事だと言うと、頑張りますつってちゃんと俺が教えることを聞いてくれた。

本当ならどんなことからも俺が守れればいいんだけどな…
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