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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


side青峰

着替えをして出てきたみさきは若干挙動不審だったけど、俺が紅茶を用意したら「ありがとう」って言って俺の横に座って飲み始めた。

つーか前だってナイトガウンだけの時あったよな…
あん時はルームウエアがなかったから仕方なくそうなっちまっただけだったけど。

ハンプトンでみさきが俺の部屋に泊まった次の朝にリラックスできねぇから着替えろつって着替えさせたときはナイトガウンだけだった。
そういやあん時も中々バスルームから出てこなかったな。

みさきは無防備なところがあって心配ではあったからちゃんと警戒してるってことはいいことなのかもしれねぇ。

けど、みさきは男を分かってなさすぎる。
恥ずかしがったり隠そうとすれば余計に見たくなるし興味が湧く。
そこでブレーキが効くヤツとそうじゃねぇヤツがいて、もしどこかでみさきと一緒にいる奴が後者だったら確実に襲われる。


「護身術って知ってるか?」

「聞いたことはあるよ」

「今から特訓だ」

「え⁉今から⁉お風呂入ったのに⁉」

「また入ればいいだろ。ほら立て」

ほんとにやるの⁉とか言ってるみさきに接近された時や腕をつかまれた時に逃げるやり方を教えた。

「そうじゃねぇって!そんなんじゃ引っ張り込まれちまうだろ⁉」

「青峰君の鬼‼」

当たり前だろうが!
俺がアメリカにいてお前が日本にいるときは自分で身を守るしかねぇんだから鬼にでも悪魔にでもなってやる。

「ハァハァ…もう疲れたよー」

「最初から全部うまくできたら終わりにしてやる」

「そんなの無理だよ!」

「やらなきゃ日本に帰さねぇぞ」

「ん゛ー…やればいいんでしょ!」

そうだ、できるようになりゃいいんだよ。


特訓開始から2時間半…

「できた!」

「できたな。忘れんなよ」

「絶対忘れません…もう動けない…」

そうだよな…メシ作らされて風呂入って寝れるかと思ったらこんなことさせられてクタクタだよな。
でも俺はお前が望まねぇことをされるのだけはどうしてもイヤなんだよ…

「汗だけ流してくる」

「うん。あたしも後で汗だけ流す」

床に座り込むみさきを引っ張ってソファに座らせてから急いでシャワーを浴びて部屋に戻った。


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