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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


少しあったまりすぎたかもと思ってバスローブを着たところでナイトガウンしかないことに気づいた。

しまった…
お風呂が楽しみすぎていつもの家のノリで下着だけ持ってお風呂に入っちゃった。
ナイトガウンだけで出て行くなんて死ぬほど恥ずかしいけどキャリーに行かなきゃ部屋着は無い。

どうしよう。これじゃあバスルームから出れない…

15分はバスルームをうろうろしてたけど、何も案は浮かばないから青峰君が寝ててくれることを祈ってそーっとバスルームのドアを開けてキャリーを目指して一歩目を踏み出した。


「すげー長く入ってたな」

あ、起きてらっしゃるんですね。
下にルームウエアを着てないことがバレたくなくてガウンの袷をきっちり閉めて話すけど脚を見られたら終わりだと思ってソファの背もたれに下半身を隠して話す。

「そうなの。すっごく広くて夜景も綺麗でね、バスタブもすっごく広くて、さっきもらったバラがすっごいいい匂いだったから中々出れなかったの」

「だからそんなの付けてんだな」

「…え?」

何を言われたのか分からなかったけど突然青峰君が向かいのソファから立ち上がってこっちに来るから体が固まって身動きが取れなくなる。

あたしにどんどん近づいてあっという間に横に来るとまとめた髪の耳辺りに触れてくる。

怖いわけではないのにビクッと反応したあたしに青峰君が笑って「ちょっと大人しくしてろ」て言われて動かないでいたら髪を少しだけいじって「これ付いてた」って言われて花びらを見せてくれた。

「あ、ありがとう。遊びすぎちゃった」

「そうみてぇだな(笑)お前さ…」

「ななな何⁉」
何を言われるのかと思って後ずさると、青峰君があたしを見て驚いたような顔をしてる。

「いや…つーか下着てねぇの?」

バレた…
もう恥ずかしすぎて逃げたくて、さらに後ろに下がると、大きなピアノが邪魔をしてそれ以上下がれなくなったあたしに青峰君が近づいてくる。


「ヤダヤダ!こっち来ちゃダメ」
自分が悪い癖に泣きそうなくらい恥ずかしくて、顔も見ずに意味のないことを言ってしまう。

それでも青峰君はあたしの言葉なんてお構いなしに近づいてきてあたしをぎゅっとした。

「何もしねぇから…そんな怖がるなよ…」

元々怖かったわけじゃないけど低くて優しい声があたしを安心させてくれた。

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