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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


side青峰

水中でのトレーニングは負荷がかかる分体重も減りやすいけど肺活量が欲しい俺にとってはめちゃくちゃいいトレーニングになる。

全身をまんべんなく鍛えられるし下半身への負担は少ねぇから水中トレーニングは結構好きだけど、他のホテルじゃ人目が多くてトレーニングになりゃしなかったから専用で誰もいねぇのは助かった。

1時間半のトレーニングを終えてジェットバスで体を温めてからシャワーを済ませてストレッチをして部屋に戻った。

部屋に入ると「あちち」とか言ってる声が聞こえてキッチンを覗いたらさっきは真っ白だった赤ん坊の腹がいい色に焼けてる。

「ただいま」

「おかえりなさい。今丁度用意できたところなの」

俺に笑顔を向けてくれるみさきに軽い眩暈がした。

こんな風に出迎えられるなんて初めてだったけどすげぇいい。
結婚して毎日こんなんだったら幸せすぎんだろ…

パンの入ったバスケットをみさきから取り上げてぎゅっと抱きしめた。

「疲れちゃった?」

「いや…メシありがとな」

「お口に合うか分からないけど、青峰君が食べれそうなら食べよ」

名残惜しいけどせっかく用意してくれた料理が冷めちまったら勿体ねぇからセッティングされたテーブルに座った。

「テーブルセッティングはできないから頼んだの。すごい綺麗だよね」

「そうだな」

部屋でする食事とは思えないほどきれいにセットされたテーブルはホテル側がしてくれたらしいけど、そんなとこまで気を回して頼んでくれたみさきはホントにデキる女だ。

前菜は俺がアボカドでみさきはレンコン
みさきが食えるのと同じで全然構わねぇのにざわざ分けて作ってくれたんだな…


スープも魚も野菜もすげぇ旨くて、みさきは大変だろうけど俺は食べに行くよりもこっちのディナーの方が断然いい。


「お肉はね、七面鳥なんだけど照り焼きにしたの。前にテリヤキバーガー好きだって言ってたから」って言って切り分けてくれた。

「すげぇうまい」

「よかったー。多分お肉がいいからおいしいんだけどね!」

ちげーよ。お前の料理が上手いんだよ。
こんなちゃんとしたコースのどこが“普通の物”なんだよ。
みさきの母親は一体こいつにどんなもの食わせてきたんだよ。

食事の皿を全部下げてデカフェのコーヒーを出してから「青峰君これ食べる?」ってガトーショコラを出してきてくれた。
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