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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


side青峰

「お砂糖は入ってなくてね、メープルシロップをかけて食べるんだけど、そのままだと苦いの」

「食う」

綺麗に皿に盛り直してシロップを添えて出してくれたそれは初めて食べる味だったけどすげー美味かった。

簡単な物しか作らないとか普通の物しか作らないなんて嘘じゃねーかよ(笑)
みさきは本気でそう思ってんのかもしれねぇけどこれは簡単なものではねぇな。

コンシェルジュが食器を下げて出て行った後にソファに来たみさきに改めて礼を言った

「すげーうまかった。ありがとな」

「こちらこそ残さずに食べていただいてありがとう」
なんでそんなニコニコしてんだよ…

あーもー可愛すぎ
なんでみさきはこんな可愛いんだよ…

「来月のチケット今渡していいか?」

「うん!もらっていいですか?」

「当たり前だろ(笑)」

試合のチケットと乗って来るって聞いてた便の航空券を3人分渡す。

「飛行機も取ってくれたの⁉後で払うから請求して」

「今のメシでチャラだ」

「そんなのダメだよ」

「ダメじゃねぇって。あんな手の込んだもん作ってもらってチケットだけの方がダメだろ?」

「ダメじゃないよ。だってこれファーストクラスじゃん。貰えない」

「せっかく仕事抜きで来るなら非日常の方が楽しいだろ?それにこれは火神と黄瀬とテツと俺からの日頃の感謝ってやつだから受け取れ」

テツと黄瀬がきたときに、3月にみさきとさつきと進藤が来ることになってることを知って、いつも我慢させてるから何かしてやりたいって黄瀬が言い出して決めた。
みさきのは火神が出すとか言うから冗談じゃねぇと思って「俺が出す」っつったら「お前彼氏じゃねーだろ」とかすっげぇムカつく事実を突きつけてきやがった。
結局3枚を4人で均等に割ることで話がついた。


「さつきと美緒はいいかもしれないけど、あたしまでもらっていいの?」

「いーんだよ。いつも試合の時連絡くれてんのと今日のメシのお礼だ」

「じゃあ本当にもらっちゃうよ?もう返さないからね?」

「ちゃんとそれ乗って来い。俺は先にシカゴにいるから」

「ほんとにありがとう」


人に何かするのは当たり前の様にするくせに、人にしてもらうことを当たり前だと思わないみさきの性格も“ありがとう”って目をウルウルさせるところもすげぇ好き。
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