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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


すっかり日が暮れてものすごく寒いけどテラスに出ると夜景がすごく綺麗でまた見入ってた。



「風邪ひく」
耳から入ってきた甘い声と優しく包み込まれた全身に幸せが溢れ出す。

昨日みたいにブランケットを持ってきてくれたけど、今日はあたしにかけるんじゃなくて青峰君ごとブランケットで包まれてる。

ドキドキしてるのを誤魔化すように「あったかーい」って笑うとあたしの大好きな優しい顔で笑ってくれた。

「夜何か食べたいものある?今日はあたしにご馳走させて」

「そうだな…お前が作ってくれんならなんでもいい」

え…それは恐れ多い。ジャンジョルジュのお返しがあたしのご飯じゃ100回作っても足りないよ

「そんなんじゃなくて、もっと美味しいのにしよ」

「俺はお前のがいい」

「…んー」

「どうしても嫌なら部屋でルームサービスだな」
嫌って言うんじゃないんだけど、好きな人にご飯を作るなんてしたことないからもし美味しくなかったらって思うと尻込みしちゃう

「あたしのじゃ口に合わないかも」

「火神がお前のメシは旨いって言ってたぜ」

「それ、ママが作ったのと勘違いしてるのかも。あたしホント普通のものしか作れないよ」

うちのママはすっごくお料理上手だからなんでも作れちゃうし、お魚だって自分で切り身にできるけどあたしは切り身を買う。
大我と一緒に住んでるみたいな状態のときは、あたしにできることといえばそれくらいだったからあたしがしてたけど、そんなに手の込んだものは作ってなかった。

ママにお料理できた方がいいわよって言われたのを今痛感してる。

「なら普通のものが食いたい」

「和食と洋食ならどっちがいい?」

「任せる」

「ゴーヤ以外で嫌いなものは?」

「…いや、特にねぇな」ってちょっとびっくりした様な顔で言われた。

「そろそろ部屋入るぞ。寒すぎだ」

「うん。そだね」

部屋に戻ってメニューをどうしようかと考えた。
まさかあたしが作るなんて考えてもいなかったから、いいメニューが全く思い浮かばない。

うーん…大我は何食べておいしいって思ったんだろ。
でもいつもおいしいって食べてくれてはいたような気はするけど。

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