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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far



望んだ言葉が聞けてすげぇ満足だけど、みさきの綺麗な顔が見れねぇのは残念過ぎる。

顔が見たいから「こっち向け」って言っただけなのに無視したからまだいじめられてんのかと思い込んで「許して」とか言ってくるからチャンスとばかりに一緒に寝ることを了承させた。

「…何にもしない?」って少しだけ不安そうに聞いてくるみさきを安心させたくて「絶対ぇ何もしねぇ」って真剣に伝えてしっかり抱きしめた。

何も言わねぇから今日は一緒に寝たくねぇのかと思ったけど俺の背中に細い腕が回されて力が込められた。

これは…OKってことだよな…?

あー…可愛い

死ぬほど可愛い。絶対ぇ離してやれねぇ。
もう好きだってバレてもいいわ。開き直ってやる。

「お前ホント…すげぇ可愛いな」

本気で思ってることを言ったのに俺の胸をグッと押して俺を見上げてからかうなとか言って可愛い顔して怒って、それも可愛すぎる。

つか、からかってねーよ…

そもそも女を可愛いと思ったのも口に出したのもお前が初めてなんだよ
柄じゃねぇなんて分かってるけど止まらねぇんだからしょうがねーだろ。

鈍感すぎる。

鈍感じゃないとか言うみさきをベッドに入れてさらさらの髪を撫でてみさきの存在を確かめた。

俺は寝るときも抱きしめてるけどみさきはいつも俺の胸辺りで手を曲げてるから今日もそうするのかと思ってたら俺の腰より上あたりに腕を回してギュって抱き着いてきた。

すっげぇ嬉しかった。
少しだけだけど最初に抱きしめて寝たときよりも確実に心を開いてくれてる。

髪を撫でてた手でそのまましっかり抱き寄せると俺を見上げて「おやすみなさい」って言うから「おやすみ」って返した。

ホント可愛い女だな…

寝息が聞こえたのを確認して恒例の頭へのキスを落として俺も目を閉じた。




愛してる。




世界中の誰よりも何よりも俺にとって大事な女

好きすぎて苦しくなることがあるなんて今まで知らなかった。



「…ん…すき…」





は⁉



ビビった。寝言かよ…




なんだよ。他の男の夢見て俺に抱き着きやがって。
ムカつくな…

夢に出てくるほど好きってマジでどんな男だ。
絶対ぇ渡さねぇからな。

力が抜け始めたみさきの腕を俺の背中から外して手を出させて指を絡めた。

絶対ぇ離してやんねぇ。
必ず振り向かせてやる




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