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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


あたしが見始めたのは第3Qからだった。

青峰君にボールが集められてることはバスケに詳しくないあたしが見ても一目瞭然で、チームメイトに頼りにされて活躍して本当にすごいし、日々どれだけの努力をしているのかと思うと、尊敬以外の言葉が出てこなかった

第3Q終了のブザーとともに青峰君のシュートが決まって見始めた時は7点差だったのが2点差まで追い上げてた。

勝ったって言ってたから結果は知ってるけど、目が離せなくて青峰君のチームがボールを持つとついつい応援しちゃう。

相手チームのTO明け、開始直後にパスを受けた青峰君を止めに来たすごく背の高い選手をかわすために、ほぼ体を寝かせた状態で投げたボールがリングに吸い込まれた。

「はぁ。すっごいかっこいい…」

なんかよく目がハートで書かれてる絵とかあるでしょ?
今のあたしはまさにそれ。


「ふーん。誰が?」


だからね…青峰君お風呂早すぎなの!
試合あったからゆっくり入るって言ったじゃん。

絶対青峰君の方見ない。
あたしは今試合を見てるからその言葉は聞こえなかったことにする。

足音が近づいてくるからこっちにくるのが分かってカウチの隅で体を丸めて顔を隠した。


「無視すんな」

「…」

「おい。テレビ消すぞ」

「ダメ!今見てるの」

「見てねーじゃん(笑)」

顔は隠してるけど隙間から見てるもん。

ドサリと音がして青峰君がカウチに座ったのが分かったけどすっごく近くに座るから逃げ道がない。

「あの…もう少し寄ってもらえませんか…?」



____________________ギュっ…

「もう少し寄った」



「…ちっ…ち、違う!反対側に寄って欲しいのっ」

「無理だ。湯冷めしちまうだろ」

「青峰君寒い?お部屋の温度上げる?」

お風呂から出たばっかだから青峰君にはこの室温だと寒いのかもって思って振り返ったら、顔に対して高すぎる鼻のせいで青峰君と鼻がが当たっちゃって逸らそうとしたのに、カウチの背もたれが邪魔で逃げ場がない。

今でさえ顔が近すぎて恥ずかしすぎるのに青峰君がさらに近づいておでこをくっつけてくるからもう心臓が口から飛び出しそう

「あのっ…近いからっ…」

「…」

「無視しないで!」

「…」

「ねぇっ!言うから…」

そう言ったらやっとおでこを離してくれたけど腕はそのままだった。
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