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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


腰を引き寄せられたままカウチにいたけど、青峰君は今日試合だったんだしきっと疲れてるはずだから、そろそろベッドで休ませなきゃ疲労が残っちゃう。

「青峰君ベッドで休んで」

「お前が風呂から上がったらな」

「ダメだよ。先にシャワーして先に寝るの」

「ヤダね。お前が先風呂行けよ」

「じゃあ絶対ここで寝ちゃダメだからね!」

「分かったって。ほら、背中外すからバスルーム行け」

カウチから立たせてもらってバスルームまで行くと、ネックレスを外して、あの時と同じように肩にバスタオルをかけてホックを外して少しだけチャックを下げてくれた。

「ちゃんと温まってこい」

「うん。ありがとう」

背中を外すだけにコンシェルジュを呼ぶのもどうかと思ったし、あたしだけが意識してるみたいで逆に恥ずかしかったから、青峰君がしてくれてよかったけど、女の人の扱いに慣れてるんだなって思ってギュッて胸が締め付けられるような感じがした。
やってもらったくせにこんなことを思うなんて本当に性格が悪い。

青峰君はあたしを恋愛対象として見てないから平気なんだろうけど、あたしはいつもいっぱいいっぱいでドキドキして、どうしていいか分からなくなる。


もっと恋愛が上手だったら青峰君に好きになってもらえるように色々考えられたのかもしれないけど、初めて人を好きになったあたしじゃいい方法も思い浮かばない。
計算したくても方程式を知らなくちゃ計算もできないし答えも導き出せない。

それに、このぺったんこの体はどうしようもない。
美緒みたいに美人で背が高くてモデルさんみたいならよかった。
さつきみたいに可愛くて女の子らしい丸みのある体ならよかった。

青峰君はあたしの事を綺麗って言ってくれたけど、さすがにそれを盲目的に信じるほどおめでたい頭じゃない。
でも社交辞令だったとしても嬉しかった。

造形はもはや変えようがないから肌のお手入れだけは頑張ろう。
肌と髪は手入れ次第でよくなるものだからできることはきちんとやろ。


お風呂から出るとテレビがついてて青峰君の今日の試合がやってた。

「お風呂ありがとう」

「俺も入ってくる」

「うん。じゃあこれ見てる」っていうと頭をぽんぽんってしてバスルームに入っていった。




なんか、完全に子供扱いされてる…
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