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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


みさきと知り合って初めて知った“愛してる”って感情。

抱くとか抱かないとかじゃなく、ただ一緒に過ごすだけでも満たされていく。
一生抱けなくてもいい。でも一生俺といてほしい。

まだ気持ちを伝える時期じゃねぇけど、他の男のところにだけはいかないでほしいって思うと、いつもより着飾って綺麗なみさきを誰にも見せたくなくなった。


みさきが紅茶を飲み切ったのを見計らって車を呼ばせてホテルに戻ると、初めてハンプトンで俺の部屋に来た時のように窓に張り付いて夜景を見てる。

あの時と同じようにすげぇ綺麗な姿勢だった。

あの時のワンピースと違って脚は出してねぇけど、肩から背中にかけて大きめにカットされたデザインのドレスから見える華奢な肩と肩甲骨、はっきり見える背骨のくぼみが目の毒過ぎてブランケットを巻き付けてどさくさに紛れて一瞬だけ軽く抱きしめた。

これ以上はマジでヤバい。
多分顔にも出てる。

ケトルに電源を入れてから、自分の顔が見られないように夜景を言い訳にして電気を暗めに落とした。


高性能のケトルはものすごい速さでお湯を沸かしてくれたから、みさきに紅茶を淹れてサイドテーブルに置くと「ありがとう」って可愛い顔してこっちを見てる。

マジでこっち見んな…本気でどうにかなりそうだ。

ネクタイさえ緩めなきゃ大丈夫かと思っていた俺に「ネクタイ外さないの?」って聞いてくるから、言い訳も見つからなくて、ネクタイを外してボタンも緩めてカウチに体を預けた。

照明を落としておいてマジでよかった。
一点に集まる血液を何とか落ち着かせようと違うことを考える俺に「寒くない?」って聞いてこっちに来るから、身動きが取れなくなった。

ブランケットで隠す以外の方法がなくてブランケットに一緒に入って抱きしめたがる腕を必死に抑え込んだ。

今触ったら危険すぎる。
そしてテレビをつけられたら終わりだ。



少しして興奮が収まってくると、今度はみさきから離れんのが嫌になった。
それなのに、みさきはどっかに行こうとするから思わず腕をつかんで引き留めちまった。

髪を解きたかったらしいけど、ここから出したくなくて部屋がまだ少し寒いことを理由にカウチに戻らせて、勝手にどこかに行かないようにみさきの華奢な腰を引き寄せた。


余裕なさ過ぎだ…

でも5か月ぶりのみさきは前よりも色っぽくて堪らなく愛しかった
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