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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


車が来たことが知らされて店を出ると雪が降り始めてた



到着した部屋は少し寒くて、コンシェルジュが暖炉に火を入れてくれると室温が上がり始めて窓ガラスが少しずつ曇っていく

ぼやけた夜景と雪が窓から見えてすごく綺麗
これが冬のNYの大好きなところ



「そんなに窓に近づいたら寒みーだろ」

窓に張り付いて夜景に夢中になるあたしを青峰君がブランケットでぐるって包んでくれた

ドレスのままだから確かに寒くてブランケットが嬉しかったけど欲張りなあたしは青峰君にギュってしてほしいって思ってしまう

「ありがとう」

「風邪ひくなよ」



部屋にあるケトルの電源を入れる音が聞こえて部屋の照明が暗く落とされた

「夜景みるならこの方が良く見えるだろ」

「うん。確かに」

「どれ飲むか選べ」

あたしの紅茶好きを覚えていてくれたかのようにミニバーから紅茶を出してきてくれたからゴールデンアッサムを選ばせてもらった

青峰君は前回もこうやって何度か紅茶を淹れてくれた



「あの、ネクタイ…外さないの?」

「…あぁ…忘れてた」

青峰君がネクタイを緩めてるしぐさが信じられないくらい色っぽくて見ていられない

ネクタイを外してボタンを2つ外してカウチに座る青峰君はどこかのモデルよりも手足が長くてかっこいい

ワイシャツだと寒くないのかな…

「寒くない?」

「ブランケット半分よこせ」

笑いながら言われて、カウチに座る青峰君の隣に行くと、1枚のブランケットに二人で入った。

なんか今……すっごくギュってしてほしい

でもそんなこと絶対言えない。

あたしどうしちゃったんだろ
そんなにたくさん飲んでないのにぼーっとして甘えたくなってしまう

バスケを見るって言ってきたのにテレビすらつけてない
でも今はテレビを付けないでほしい

テレビで部屋が明るくなったらあたしの表情からいろんなことを読まれてあたしが青峰君を好きだってばれちゃいそう


髪だけ解こうかな…

そう思ってカウチから立ち上がろうとすると、青峰君の手があたしの手首をそっと掴んだ




「どこ行くんだよ」

「髪だけ解こうかなって…」

「…もう少し部屋が暖かくなるまでいいだろ」

「あ…うん」

そう言われて、確かにまだ部屋が寒いかもって思ってカウチに戻るとしっかりと腰を引き寄せられてさっきよりも距離が近づいた
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