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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


side青峰

今もし釣り合わねぇとしても、みさきを諦めることなんてできっこないなんだから今からできることをやっていくしかねぇ。

もっと早くみさきと知り合えてたら…

けど、今はそんなこと考えててもしょうがねぇ。あいつが片思いしてる誰かより、俺がいい男になんなきゃあいつは振りむいちゃくれねぇんだ。

らしくもなく気分が落ち込む俺に、さっき切ったばっかりのみさきから電話がなった。

「どうした?」
何か言い忘れたのかと思って聞くと、フォーシーズンズに俺も泊まれるから嫌じゃなきゃとかごにょごにょ言ってる。

嫌な訳ねぇ
すげぇ嬉しい

泊まるから追い出すなっつったら「部屋がいっぱいある」とか言って別々の部屋で過ごす気満々のみさき。
一緒にいるなら同じ部屋で過ごすに決まってんだろ。
今回はみさきから誘ったんだからな。
多分仕事だからだろうけど…

おやすみって今度こそ電話を切って笑みがこぼれる。

なんか…すっげぇ可愛い。
俺がもっとできた男だったらすぐにでも気持ちを伝えることもできるんだろうけど今のままじゃダメだな。
でも少しでも多く一緒に過ごして俺の存在も忘れられねぇようにしとかねぇと、マジで掻っ攫われて二度と手に入れられなくなりそうだ

とりあえず明日の試合に集中するか…
疲れて思考がごちゃごちゃなままコートに立つわけにはいかねぇ。

対戦相手のDVDを見返して頭の中でシュミレーションを繰り返す。
みさきには勝った報告しかしたくねぇ。

違和感を感じたところは何度も巻き戻して弱点を探す。
テツみてぇな優れた観察眼ではねぇけど、経験から感じる違和感を突き詰めていけば、どんなうまい奴でも必ず弱点はある。

自分のマッチアップの選手を集中的に観てから、自分なりに戦略を立ててベッドに入った。



朝のジョギングを済ませてからみさきに電話をかけた。
久しぶりに試合前に声が聞ける。

「行ってくる」

「行ってらっしゃい」
これが俺にとって勝利の為に一番大事な日課。
聞けねぇことも多いけど聞けた日は負ける気がしねぇ。

「みさきも頑張って来いよ。行ってらっしゃい」

「うん!行ってきます!」

仕事大好き美人大好きのみさきはきっとめちゃくちゃいい顔して笑ってるはずだ。


勝ってみさきに会いに行く


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