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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


「ペントハウスの視察に青峰君も立ち会ってもらえないかな?視察が終われば泊まってもいいみたいだからあたしはそのまま泊まるんだけど、ベッドルーム4つもあるし、もし青峰君が嫌じゃなければ青峰君も泊まっていいみたいなんだけど…」

「なら2日目はそっち泊まる。追い出されたら野宿になっちまうから絶対追い出すなよ(笑)」

「追い出さないよ!お部屋いっぱいあるもん」
自分で誘ったんだから追い出すわけないのに、青峰君ってほんとおもしろい。

今度こそおやすみって言って電話を切った。

仕事が長引いたおかげで会えることになるなんて、シカゴまで会えないって思ってたから降ってわいたラッキーに思わず頬が緩んだ。

明日はドレスアップするし、会場も乾燥してるからしっかりお手入れして早めに寝よう。













翌朝、早めに起きてゆっくりお風呂に浸かって体を温めた。
NYは本当に寒い。
湯冷めするって言われてもお風呂以外で全身暖める方法を知らないから朝も絶対湯船に入りたい。

髪をセットしてメイクをしてからカウチで少しゆっくりしてると、NYで一緒に過ごした時のことが蘇った。
NYで会食に行く前もこうしてカウチでゆっくりして、あの時はドキドキしたりもしたけど本当に楽しかった。
一人で過ごすことが当たり前で誰かとホテルで一緒に泊まるなんてほとんどなかったのに青峰君がいないカウチが少し寂しいって感じる。




すごく楽しかったNYを思い出してたらスマホが鳴って、時間を見ると試合前にいつも家を出る時間だって思ってスマホに飛びついた。

「おはよう」

「おはよ。起きてたか?」

「もちろん。青峰君そろそろお家出る時間でしょ?」

「あぁ。みさき仕事何時からだ?」

「11時に会場に入るよ」

「気をつけて行けよ。帰りは迎えに行く」

「今日の試合は見れないけど応援してるからね。怪我しないでね」

「サンキュ。じゃあ行ってくる」

「行ってらっしゃい」

「みさきも、頑張って来いよ。いってらっしゃい」

「うん!行ってきます!」

久しぶりに聞く青峰君からの“いってらっしゃい”が鼓膜から脳に伝わってあたしを痺れさせる。


たまらなく好きで青峰君に好きになってもらえたらどれだけ幸せなんだろうって考えがあたしの中に広がった。






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