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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


新しいスマホを用意する時間もねぇし、ハッキングされてんなら全部変えなきゃなんねぇし。
かといって今から誰かに連絡を取ればあいつがみさきに何かやりかねねぇ。

とりあえずこのスマホはもう使えねぇ
画像も連絡先もPCにバックアップしてあるし…

グラスに水を入れて防水機能のないスマホを沈めるとロック画面に映るネロが消えて真っ暗な画面に切り替わった。

とりあえず家出ねーとマズい


後のことは機内で考えるとしても、とにかく集合に遅れる訳にはいかねぇ

何も連絡手段のないまま荷物を持ってチームに合流した

『お前が最後なんて珍しいな』

『出がけにちょっとな…』


どこまで漏れたか分からねぇのに迂闊なことを言って騒がれたくねぇ
分かった時点で話す


フライトの間中も考えれば考える程苛立ちが増した

『やけに気が立ってるな。試合に影響させんなよ』

『分かってる』

ハッキングなんて犯罪だろーがよ…
知り合いにやらせたとか言いやがって。もう見る目がねぇとかの問題じゃねーな

クソッ…

ライアンに連絡取ろうにもスマホがねぇんじゃ遠征中は無理だしアレックスにも連絡できねぇからネロの様子も聞けねぇ

しかも俺の遠征とみさきのNY出張がかぶってるせいで今回は会えねぇけど時差がなきゃ連絡は取りやすいと思ってたのによ…

スマホをすぐに手に入れる手段はねぇから遠征が終わるまでは誰にも連絡できねぇと割り切ってバスケに集中することだけを考えて現地に入って調整を始めた。


『ダイキ!!飛ばしすぎだ!今は調整だぞ!』

『ワリィ』

『お前どうした?機内から変だぞ?』

『いや、大丈夫だ』

シュート自体は体が覚えてて外しはしないもののパスコースのミスからスティールを連発された。

切り替えろ…今はバスケだ。
試合に集中しろ!



何度も自分に言い聞かせてコートに立ったことが功を奏して試合自体は悪くねぇ結果で終えられた。


帰りの機内でもとにかくはやく連絡手段を手に入れたくて、いつもなら寝て過ごすフライトでも目が冴えてちっとも寝れやしねぇ。


着陸と同時に専用機から降りて車に乗り込むと、自宅よりも先にとにかくスマホを契約するために店に向かった。

新規契約のせいかいつもより時間はかかったけど、無事にスマホを手に入れることができて、真っ先にライアンに連絡を入れた。
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