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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


あたしのことだなんて言ってないのに何でばれちゃうの?

「だから、例えばの話なんだってば。あたしじゃない!」

「はいはい。俺なら切られたって分かってても次の日かけるな。それで言い訳を聞いてあげる」

「なんて言い訳すればいいの?」

「それは自分次第だろ?切れちゃったって嘘つくのもあり、恥ずかしくてとっさに切っちゃったって正直に言うのもあり。どちらにしてもみさきが切ったことは相手にばれてるよ」

だから…あたしじゃないって言ってるじゃん。あたしだけど…

「いきなり切って無礼だと思われたかな?」

「いや、そんなこと思う奴は器が小さすぎてみさきには釣り合わないからやめた方がいいな」

あたしには釣り合わないって…
青峰君にはあたしが釣り合ってないんですけどね

辰也は本当に紳士だしレディーファーストが当たり前で日本でもアメリカでもモテモテだったって大我が言ってたから参考になると思ったんだけど、よく考えたら青峰君と辰也は全然違うよね…

「みさき、恋愛は考えてするものじゃない。計算通りにいかなくて思い通りにならないのに好きでいることがやめられないのが本当に好きってことだと思うけどな」

「うん。てか未経験者のあたしが計算なんかしてもダメだよね」

「未経験じゃないだろ?今経験してるなら初心者だ」

「恋愛にも教科書があればいいのにね」

「ははは!それじゃつまらないだろ?みんな違っていて説明できないほど感情が乱されるから楽しいんだ」

辰也ってすっごくモテてたけど大学からずっとアンバーと付き合っててきっと女の人を深く知ってる感じがする。

たくさんの人と浅く付き合うよりも一人の人と深く付き合ったほうがいろいろ知っているのかもしれない。


「あ、そうだ。あたし3月24日の大我の試合見に行くの!」

「そうなのかい!?俺たちも行くことになってるよ」

すごい偶然。関係者席だから当日も会えそうだねって話して電話を切った。


明日青峰君から連絡がなかったらこっちからかけて切ったことを謝ろう。
やっぱり嘘ついてごまかすのはなんか良くないかもって思ってきた。

今日はルームサービスでご飯食べたらゆっくりお風呂に入って寝よ。
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