• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


みさきは鈍感だから、ストレートに言わねぇと好きだってことは伝わらねぇだろうから、小出しにして少しづつ感づかせていくことにしたけど、鈍感なのはお互い様だろ?
あんなデレた顔したみさきを普通だと思ってる青峰は相当ヤラれてる。

さっさとくっついて俺を安心させてくれって思ってんのに、俺がみさきを好きだと知ってるあいつが「お前はいいのか」なんて聞いてくるから幼馴染でいられなくなるのが嫌だといってごまかした。

みさきはお前が好きなんだからお前とみさきが付き合うに決まってんだろこの鈍感!
それにお前なら絶対みさきを大事にしてくれると思ってるから任せられんだよ。

俺をヘタレ呼ばわりして「俺は遠慮しねー」とか言う青峰に一つだけ確認しておきたかった。

こいつらがNYにいた時、青峰の部屋でみさきが寝てるって聞いて、俺が勘違いで取り乱したせいで、みさきが過去に男関係で何かあったことを悟らせちまったから今更変に隠すのも無理があって、思ってることをストレートに聞いた。

あの時みさきはきっとものすごい恐怖を味わった。俺や緑間が想像できねぇくらい怖かったはずだ。
だからそれを思い起こさせる行為を、いくら好きな相手とはいえすぐにできるとは思えなかった。

最初は俺の質問に眉間に皺を寄せてた青峰だったけど、俺が答えを促すと、マジで質問してるって分かったらしく、刺すような視線を向けて言葉を発した。

「抱きてぇに決まってんだろ」
そうだよな…そもそもこいつは多分性欲はすげぇあると思うし、なにより好きな女を抱かなくても平気だなんていけしゃぁしゃぁと言ってのける男なんて信用ならねぇ。
そういうやつはそこらじゅうでやり散らかしてることが多い

「けど、一生できなくても構わねぇ。あいつがいてくれりゃ、俺はそれだけで充分なんだよ」
できるまで待つとか言うのかと思ってたけど、強い意志のある声で、俺の想像よりもずっと覚悟が伝わる返事が返ってきた。

やっぱりこいつはみさきの過去に大方の予想をつけていてそれでも惚れ込んでる。

覚悟を確認したくて聞いたのに、想像以上の答えがもらえてもう言うことは何もなくなった。

好きになった奴が青峰でよかった。
俺の安心できる日も遠くねぇのかもな。

過去を帳消しにできるわけじゃねぇけど、全部受け止めてくれる奴がいればどんなに時間がかかってもきっと傷は癒えていく。


/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp