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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


side火神

妬いてねーとか言いながら、思いっきり不機嫌そうな顔してるからすっげぇ笑える。

みさきは桃井と違ってやべぇ物は作らねぇ。
むしろリクエストすれば何でも作ってくれる。

俺がジャンクフードが食いてぇっつったら「それはダメ。でも今度ハンバーガー作ってあげる」とか言ってグルテンフリーのパンから作ってくれてすげぇうまかった。


俺がバスケのために高2でこっちに戻った時、ほぼ一緒に住んでるような状態だったから、みさきはアスリートフードマイスターの資格を取って食事のことを勉強してくれて、俺の為にいつも食事を用意してくれてた。
高校時代からきちんとした食事ができたおかげでフィジカルはNBAに入った時から褒められてた。
俺が今NBAでやってけてんのはみさきのおかげだろうな。

おばさんはめちゃくちゃ料理がうまいからみさきは自分は料理が得意じゃねぇと思ってるけど、なんでも旨いしグルテンも白砂糖も加工品も使わない食事は手がかかるのに、文句も言わずにいつもリクエストは受け付けてくれた。

そんなんされて惚れない男なんていねぇよ。
まぁ俺はその前から好きだったけど。

青峰は食事は自分で用意するらしいけど、コイツの家には鶏肉と果物とオートミールぐれぇしかないから、どうやって体を維持してんのか不思議でしょうがねぇ。

つか、適当な食事でここまでやれてんなら、きちんとした食事ができればぜってぇもっと強くなるよな…


そんなことより、今は青峰をせっつかねぇと。

みさきの好きな奴が自分以外にいると思い込んでる青峰に、正体不明のライバルに搔っ攫われるぞつったら、青峰がNYにいるときに俺が言った「焦るな」って言葉を引き合いに出された。

あー。そうだった。あの時は青峰に暴走させたくなくてそう言ったんだった。
佐伯に暴走されるぐれぇなら青峰に暴走させときゃ良かったか?
いや、それはそれでだめだよな…

みさきは男に急に接近されると必ず逃げる。
でも青峰を好きで知り合ってからほぼ毎日連絡を取ってんなら、少しずつ縮められればいいと思っているのも事実だった。
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