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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


みさきからの電話に変な反応をしたせいで言い訳が思いつかなくて、嘘をついちまったせいで一刻も早くチケットを渡したかったから、みさきとの電話を切って即約束を取り付けた。中間地点で青峰と落ち合って日付と枚数を確認してから青峰に渡した。


「そーいやその試合タツヤも見に来るって」

「あ?タツヤ?」

「紫原んとこにいたフェイクのめちゃくちゃうまい奴」

「あー。あの片目隠れた…」
名前じゃ覚えてねぇのにバスケを出すと一瞬で思い出す青峰は名前じゃなくてプレースタイルで人を覚えてるとか…人に興味なさすぎだろ。

それにバスケをやってる奴のなかでもクールで通ってる青峰がみさきの事になるといちいちムキになってくるからすげぇ面白れぇ。

みさきから新しい一面を引き出したのは青峰だけど、青峰のこんなガキみてぇなとこや、みさきの事になると興味津々に聞いてくる姿も、みさきに会わなきゃ見れなかったんだと思ったらこいつらは相思相愛って言葉がぴったりな気がした。

知り合った瞬間にお互いに好きだって感じてんのに、どっちも鈍感でお互いの気持ちに気付かねぇこともこいつらにとっては必要な時間なんだ。
初めて人を好きになったみさきと今まで感じたことのねぇ感情に振り回されてる青峰。

ゆっくり距離を縮めてほしいところだけど、佐伯のことがあったせいで青峰をせっつかなきゃいけなくなっちまった。

邪魔しやがって…
赤司がぶち込んでなきゃ俺がぶっ殺してやるところだ。それに青峰が知ったら間違いなく抹殺されてた。

でも今はみさきが無事だったんだから、万が一記憶がはっきりしたときのことだけを考えるか…

みさきとのことを聞くとすれ違いで電話はできねぇもののメッセージだけは毎日2.3通はするらしいから、時差もあって忙しいみさきのスケジュールを考えれば上出来だな。

それに青峰もみさきもそもそもメッセージなんてほぼ返さねぇのに続いてることが驚きだ。
言ってやらねーけど。

みさきが落ち着ける場所だとどこでも寝ちまうってことを言いたくて家のキッチンの椅子で寝てたつったらいきなり怒り出した。

そんなことでヤキモチ妬くなよ…
自分だって桃井こきつかってんだろーが

コイツがヤキモチ妬くのなんてみさき以外に見たことねぇ。
まぁ俺がみさきの事を好きだから妬いてるってものあるかもしれねぇけど。
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