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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


青峰君があたしのことを綺麗とかいうからもうすっごい恥ずかしい。

電話だから顔が見られてないなんて分かってるけど、手で顔を隠しちゃう。
鏡なんて見なくても、今自分が真っ赤になってることは手のひらから伝わってくる顔の熱で嫌って程認識させられる。

一緒にいたら絶対いじめられてる。
さつきと美緒もあたしのこといじめるけど、青峰君はあたしをいじめるときすっごい顔が近いし、すっごい楽しそうにする
意地悪なのにかっこいいから本当にずるい

もう恥ずかしくてなんて返していいのかわからなくて、自分で分析した顔の比率の話をしたら大笑いされた



またからかわれた…
突然からかってくるからいつもうまくかわせない。

からかわないでって言ったら「本気でそう思ってる」ってすっごい優しく言ってくれるからもうなんて返していいのかわからなくなっちゃって本当はすっごく嬉しかったのに「やだ」とか言っちゃうかわいげのないあたし。

こういう時に素直に“ありがとう”って言えたらきっとすっごくかわいいって思ってもらえるんだろうなって頭ではなんとなく分かってても経験がないから嬉しいってことをうまく伝えられない


でも、綺麗だって言ってくれた事が本当に嬉しかった。
初めて綺麗って言ってくれた人が好きな人だったなんてそんなにたくさんの人が経験できることじゃないよね。

それに青峰君があたしの過去を知ってるわけじゃないからそんなことは絶対にないけどあたしを丸ごと綺麗だって言ってくれてるみたいだった。

青峰君はかっこいいなんて言われ慣れてて、あたしに言われてもなんにも感じないと思うけど、青峰君が何度もきれいだって言ってくれたからあたしも自分の思ってることをちょっとだけ伝えてみようかなって思って、もう、ものすごい勇気を振り絞って「青峰君もかっこいいよ」って言ったのにもう一回言えとか言われて泣きそうになった。

やけくそで、伝えたかったことを捲し立ててから恥ずかしすぎで勢い余って電話を切っちゃった。


切っちゃった…
もっと声聞いてたかったのにあたしの手が勝手に切った。

でも恥ずかしすぎるから切ってよかったのかも。

てゆーか次連絡するときどうすればいいの?
青峰君はかっこいいなんて言われ慣れててきっと忘れちゃうよね。

てか忘れて下さい。
暴走するあたしの口をだれか塞いで

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