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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


スマホを取り出してカウチに腰掛けるとちょうどいい硬さで包み込まれる感じがした。

このカウチも最高。一人で使うってところがちょっと寂しいけど贅沢でもあるもんね。


スマホを開くとメッセージが届いてる。

(NYどう?寒い?)っていう美緒

(フォーシーズンズのスイートからの連絡待ってる)っていうさつき

(仕事終わったら連絡くれ)っていう青峰君

え、青峰君からメッセージきてる。
しかも仕事終わってからもう何時間も経ってる…
プライベートのスマホを放置する癖治さなきゃ、せっかく連絡取れるかもしれないのにあたしの放置癖のせいでできなかったなんてことになったら泣ける。

さつきと美緒に返信をしてから青峰君にもメッセージを返した。

(スマホ放置しちゃってた。今日のお仕事は終わったよ)

メッセージを送ってからスマホを持ったまま火の入った暖炉をぼーっと見てると眠気が襲ってきてカウチでウトウトしていたら手とお腹に振動が伝わって来た。

スマホに映る名前を見て眠気が覚めて心拍が上がる。

「もしもし」

「お疲れ。日本にいるときみてぇに働きまくってんのかと思った(笑)」

「連絡遅くてごめんね。なんかプライベートのスマホって結構放置しちゃうんだよね…」

「ははは!未読200件だもんな」

「あれはあたしも驚いた。ほとんど美緒とさつきだったけど」
NYで一緒に過ごした時のことを青峰君が覚えててくれたことが嬉しかった。

「時差ぼけ大丈夫か?」

「うん。昨日は休めたから。なんか時差ないと変な感じ」

「確かにな。でも時差ねぇ方が電話しやすいだろ?」

「うん。そっちも7時?」

「あぁ。NYも7時だろ?」

「うん」

時差がないって分かってるのに聞いてみたくて聞くと少し笑いながら答えてくれて本当に青峰君って優しい。

「仕事どうだ?美人に触ってきたか?」

「お化粧しなくても美人でみんなあたしより20センチは背が高くて脚がすっごい長かった!もちろん触った。美しさを吸い取りたかった」

「ははは!お前だって綺麗な顔してんだろ」


「…………え!?…何!?」




びっくりしすぎてちゃんと答えにならない。こんなこと言われるの初めてだし好きな人から言われたら嬉しいけどすっごい恥ずかしい。

「だから……俺はお前の顔が綺麗だっつってんの」
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