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最愛 【黒子のバスケ】

第10章 near &far


NYで大会の出場者が集まる合宿所に着いて今日の仕事が始まる。

メイクの講義は座学と実践とあるけどみんなトップを目指しているだけあって座学でも本当に真剣そのものだった。

日本でも特別講師という形で美容学校に講師に行ったことはあったけど、ほとんどの人が美容師さんを目指しているからなのかあたしの講義がへたくそなのか興味なさそうに寝ている生徒もいて2回目からはお断りしていた。

真剣に取り組めない人にあたしの時間は使えない。

すっごく偉そうに聞こえるかもしれないけどあたしはメイクを本格的に目指した時パットから言われていたことがあった。

“あなたを成長させるために多くの人があなたに時間を使っているの。それは投資と同じで期待をしているから。どんな講義もレッスンも手抜きは許さない。教えてくれる人に敬意を払いなさい”ってずっと言われてきたからどんなに眠くても自分の興味のない分野でも真剣に学んできた。

メイクを始めたばかりの頃はヘアセットに対しての意識が薄かったけど、しっかり学んで深く知ることでメイクとヘアの相性がとっても大事なことや、頭の形を知ることで固めすぎずに、崩れにくくセットをする方法を学ぶことができた。


『メイクよりも何よりも大事なのは肌をしっかり手入れして自分の骨格をしっかり把握できるかどうかで自分をより魅力的に魅せられるかが決まります』


『どんなに美しいメイクも土台である肌ができていなければ美しい仕上がりにはなりませんし、どんなに華やかなメイクでも骨格に合っていなければちぐはぐな印象を与え、却ってマイナスイメージとなります』


メモを取りながら真剣に聞く出場者を見ているとこの仕事を受けて正解だったと思える。

美しくあろうとする人の姿勢はあたしの刺激にもなる。
彼女たちはダイヤモンドの原石。少しずつ磨かれてやがて大きく輝く。その手助けになるようにあたしも全力でこの仕事に取り組む。

実際に骨格の捉え方を講義した後にメイクをしてもらい質問を受け付ける。

『色を合わせるのが苦手でいつもリップばかりが濃くなってしまって…』

『好きな色を選ぶんじゃなくてメイクの色と自分の肌の色とその日の血色で色を選ぶの。あなたの場合…』


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