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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


side緑間

デジャヴの原因自体解明されていないが、俺はストレスによる脳の錯覚説が一番真実味があるのではないかと思っている。

あの時みさきが寝ていたことは間違いないが、仕事が立て込んでいる身体的ストレスと昨日起きたことを認識はしていなくても無意識に精神的なストレスを感じたのかもしれないな…

ここで俺が下手にとぼければ俺と火神が桃井たちに嘘をつかせる意味がなくなってしまう
桃井から言ってもらうつもりだったが少し順番を変えるしかない

「昨日も俺が送り届けたのだよ」
そういう俺にびっくりしながらもいつもの様に笑って「ありがとう」というみさきにやはり昨日の記憶はない。

ごめんねよりありがとうの方が嬉しいと言った俺の言葉を覚えていてくれているのだろう。
「ありがとう」と笑うみさきに嘘をつく罪悪感はあるものの、本当のことを知って無関係の青峰を遠ざけてしまうことは避けたかった。


俺がみさきを迎えに行った理由を昨日打ち合わせたとおりに話して部屋の前まで送り届けると桃井がみさきを出迎えた。


桃井にはみさきが点滴をしている間に連絡をして、点滴が終わったら送り届けることを言ってあったから予想通りではあったが安心だった

目で“みさきを頼むぞ”と合図すると“分かった”というように目線で返してくれた

玄関が閉まったと同時に桃井にメッセージを入れる

(やはりみさきに佐伯の記憶はない。俺が送り届けたことと理由は決めた通り話したのだよ)

(OKだよ。何か今日気を付けることある?)

(引き続き水分を摂らせて早めに寝かせるのだよ。利尿作用のある点滴をしているから手洗いに起きてろくに寝れないかもしれないが、体だけでも休ませてやって欲しいのだよ)

(任せて。みどりんもゆっくり休んでね。玲子さんによろしく)


みさきは日本に親がいないからこういう時に頼れる人がいるというのは助かる

みさきを無事に送り届けて昨日とは違い法定速度を守って車を走らせる

早番の玲子はもう帰宅しているはずだ。

自宅が近くなってくると電気の付いている玄関。
ガレージから直接家に入れるから玄関の電気がついていなくても問題は無いのに俺が帰るまで必ずつけておいてくれている


「ただいまなのだよ」

「おかえりなさい」


堪らなく愛しくていつもより強く抱きしめるといつもより強く抱きしめ返してくれた
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