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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


ぐっすり眠ったせいか朝はすこぶる調子がよかったのに夕方になって体がものすごくだるくなって、おまけに注意力も散漫で小さなミスを繰り返していた。

…風邪かな?
ミスをしながらも撮影の仕事を7時に終えてスタジオを出た。

申し訳ないけど夜の打ち合わせの日程を変更してもらお。

監修を請け負ってるメイク雑誌の編集者に連絡を入れて体調が優れなくて打ち合わせの日程を変更してほしいと伝えると1週間後にしてくれることになった。


真太郎のとこ行こうかなぁ

あ、そういえば……
朝電話を確認したら大我から何件か着信が入ってたのにバタついてて折り返せなかったからから取り敢えず電話しなきゃ



スマホを取り出して履歴から大我の番号をタップした



「どうした⁉」

ワンコールで通話に切り替わったけど、電話に出た大我が明らかに焦ってるからからこっちがどうしたのかと聞きたくなった。

「え、あたしはどうもしないけど…昨日珍しく何回も着信あったから何かと思ってかけたんだけど」

「あぁ。そうだった。3月のチケット俺のも青峰に渡したからそろそろそっち着く頃だから無くすなよ」

「あ、ありがとう」

「今日も仕事か?」

「今1件終わって本当は打ち合わせがあったんだけどなんか体調悪くて日程変更してもらったから今日は終わり。ちょっと真太郎のとこ行こうかと思ってる。インフルエンザとかだと困るし」

「そうだな。ちゃんと診てもらった方がいいな」

「そうする」

「そーいやお前青峰とどうなんだ?」

「どうって何⁉別に何ともないよ」
何急に。びっくりした。どうって聞かれたって別にどうもしない。片思いなんだからどうにかなると思って聞いてきてるならそれは大間違いだけど、まさか彼女できたのかな…?

「そうか。仲良くやれよ」

「何?もしかして青峰君彼女できたの?」

「そんな訳ねーだろ(笑)今シーズン中だから女構ってる暇ねーよ」

「よかったって思ったあたしは性格悪いよね」

「普通だろ?好きな奴に特定の相手ができたら嫌だって思うなんて全然普通だ」

「あ、そなんだ」

タクシーがきたから電話を切ったけど大我の用事ってチケットのことだったんだ。メッセージしといてくれたらよかったのに

「緑間総合病院までお願いします」

タクシーで電話するのは好きじゃないけど時間外だから連絡入れないと


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