• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


side火神

桃井からの電話を受けてその後一向に連絡がないからどうなっているのか分からなくてイライラが募る。

桃井と緑間が連絡が付いたのか付かないのかすら分からない。

クソッ
あれだけ警戒心の強いみさきを打ち合わせとはいえ二人っきりで連れ出すなんて一体どんな手を使ったんだ。仕事だと言えば確かにみさきなら断らねぇかもしれねぇけど、北海道に行く前にあれだけ怖がってた相手だ。どうなってんだよ

みさきのことが気になって食事も喉を通らなかった


あいつまたなんかされてねぇよな…
何度かけても緑間は出ねぇし、まさかオペ中とかそんな事ねぇよな…

病院にかけるしかねぇか
診察時間はとっくに過ぎてはいるもののでかい病院でアナフィラキシーショックを起こした患者を受け入れる設備の整ってる緑間の病院は何時でも電話がつながる。




「はい、緑間総合病院です」

「緑間いますか?」

「院長先生でしょうか?」

「いや、息子の方だ」

「申し訳ございません。先ほどお帰りになりましたが、何かございましたでしょうか?」

「いや、いないならいい」

桃井と緑間は連絡取れたのか⁉

俺が連絡をしたところで何かしてやれるわけじゃねぇけど、ずっと苦しんできたあいつを見てきたから、もう二度とあんなことが起きるのは御免だった


また何かあればきっとあいつは青峰のことも怖いと思っちまう。せっかく癒えてきたと思ってた傷がまた開いて今度こそ塞がらなくなる

頼むから、誰でもいいからあいつを守ってくれ…

何も起きていないことを願いながら何度も緑間に電話をかけていて気付けば最初の桃井の電話から3時間が経っていた

一向に鳴らなかったスマホが着信を知らせてきて緑間かと思ったらチームメイトだったけど出ないことにした

ワリィけど今は他の電話に出てる余裕はねぇ…

それからもずっとうろうろと部屋を歩き回って何度見てもほとんど時間の変わらない時計を見て焦りとイライラでおかしくなりそうだった



ピロン♪

いつもは特に何も感じないメッセージの音が能天気に響いて猛烈な苛立ちと何も分からない恐怖でスマホを持つ手が震えた

メッセージを開くと緑間からだった

(後で連絡するが、みさきは無事だ)

よかった…

あいつが無事だったことに安堵して
もうずっと流してなかった涙が流れた
/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp