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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


side桃井

タクシーに乗って東町方面に向かってるけど詳細な位置が分からないことで不安とイライラが募る。


交差点を右に行くのか左に行くのかそれとも直進なのか何もわからずに走っているせいで本当にみさきに近づけているのか不安で仕方がなかった。

いつも冷静な美緒ですら震えて涙を流し続けてる。


それでも車を止めているわけにはいかなくてとにかく東町の中心に向かって走ってほしいと頼んで車を飛ばしてもらう。


信号で止まると同時に待ちわびていた着信が鳴ってみどりんの奥さんの声が聞こえた。

言われたとおりにアプリを開くと赤い点と黄色い点が重なって動いててみさきのGPSだと分かる。

運転手に画面を見せてこれを追いかけてほしいというとびっくりされた


「もたもたしないで!いいから早くこれを追って!!!」


美緒の怒鳴り声で運転手が車をUターンさせてアクセルの音が聞こえて信号を黄色でぎりぎりすり抜ける

さっきまで泣いていた美緒がGPSを見てから涙を止めて怒りの表情を浮かべていた

「絶対許さない」

握りしめた手が怒りで震えてる…

美緒はみさきをすごくかわいがってるし、きーちゃんとのこともいつも協力してくれてるからみさきがいなかったらダメになってたかもってよく言ってた。

それに、あたしだってみさきはすっごく可愛い
日本に友達がいないって聞いたけど、絶対仲良くなれるって思ったからあたしから連絡先を聞いて仕事終わりとかによく誘って出かけたりしてた。


大ちゃんと知り合って今まで見せたことのない顔をするみさきが本当に可愛くて、いつもいじってたけど、大ちゃんとうまくいって欲しいって心の底から思ってるから、あんな男のせいでまた恋愛したくないなんて思わせたくなった

「あたしも、絶対許さない」

このままでは済まさない。みさきにしたことの責めは負ってもらうから。
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