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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


side緑間

「今から言うスマホに位置情報をダイレクトで送れるようにしてくれ」

赤司がどこかに連絡を入れて桃井のスマホに位置情報を入れるように連絡をとっている。

「電話で伝えた方が…」

「いや、俺のスマホには彼女の乗っている車を特定した時点で連絡を入れるように言ってある。ずっと話し中にしておくわけにはいかない。」

「そうか…」

「落ち着け緑間。車が動いている以上移動手段はどう考えてもタクシーだ。意識があって知らない人の車に乗せられそうならば抵抗して周りも気づく、仮に意識がなかったとしてもそんな人間を繁華街で個人所有の車に乗せようとしていれば通報されていてもおかしくない。タクシーであれば飲みすぎた女を介抱してやる優しい男にしか見えない。よってタクシー一択に絞られる」

赤司の意見はもっともだ
だが…みさきの警戒心を和らげた男となればかなり狡猾である事は間違いない

不安は拭いきれなかった


「お前たちと話した後に佐伯という男や周辺の関係を調べたが相当遊んでいるようだな。だが、車を所有している者はいない上にレンタカーを使ったような記録も残っていない。意識のない女を乗せて不慣れな運転で事故を起こせば当然警察沙汰だ。すべての事情を考慮してもタクシー以外ありえない」


常に冷静沈着

どんな時でも相手の何歩も先を行き通常ではおよそ不可能なこともその財力と地位を持って調べ上げて相手に逃げ道は与えない。
味方であれば頼もしい存在でしかないが、敵となれば…

「玲子さん、桃井に電話してマップのアプリから位置情報をリアルタイムで確認できると伝えてくれ」

「はい。分かりました」






玲子が桃井に連絡を済ませると赤司の口から驚くべき言葉が飛び出した

「恐らく彼女は睡眠薬を飲まされたんだ」

「なんだと⁉」

「佐伯は薬剤師免許を悪用して強力且つ短時間で効く睡眠薬を多量に仕入れている。おそらく目的は…」

「それ以上言うな…薬は特定できているのか」

「フルニトラゼパム」

「そんなもの飲ませようとして飲ませられるものじゃないだろう!」

「恐らく何かに溶かしたのだろうな」

「ちょっと待って、フルニトラゼパムは水に溶かすと青い色素が出るはずよ。そんなに簡単に飲ませられると思えないわ」

「佐伯は着色の規制がないブラジルから違法に個人輸入している」


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