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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


sideさつき

地方に出張中にみさきからメッセージが届いて開いてみると、佐伯さんには彼女がいるからあの事は自分の勘違いで打ち合わせをするって内容だった。

あたしも美緒も佐伯さんの事は警戒してたけど彼女がいるかどうかは知らなくてなんでそれをみさきが知ったのかも分からなかった。

それに佐伯さんの笑顔が胡散臭かったのは事実。

即座に返信をしたけど既に打ち合わせをしてるのか既読にならなくて嫌な予感がする。
電話もしたけど繋がらなかった。

7時になれば個人の呼んだ人でなければ外部の人は出てもらうことになってるから飲食店にでも行って打ち合わせするんだってことは分かったけど道中で拉致されないとも限らない。

美緒が会社にいるはずだから電話したのにこんな時に限ってケータイは繋がらないから会社にかけたらチーフと接待と言われて更にあたしの焦りが増した。

まさか美緒も接待だったなんて…


とにかくみどりんに連絡しなきゃ
電話を鳴らしてもみどりんもまだ病院のせいか電話がつながらない

もうパニックになってアメリカにいるかがみんに連絡することしか思いつかなかった。

震える手でスマホをタップしてかがみんに繋ぐと3コールで出てくれたけど、3コールがとてつもなく長く感じた。

「桃井?」

「みさきが!みさきがねっ…」
焦りと不安でうまく言葉が発せない。

「落ち着け桃井。分かるように説明してくれねぇと何もできない。深呼吸しろ。頼むから落ち着いてくれ」
かがみんにそう言われて深呼吸をしてから話し出す。

「みさきから佐伯さんと打ち合わせするって連絡があってすぐに返信したんだけど、まだ既読にならないの。電源は入ってるからコールはするんだけど、電話にも出なくて…」

「進藤と緑間は?」

「美緒は今日接待だし、あたしも出張で東京にいないの。みどりんは電話に出なかった」

「赤司に頼んだ時警備から緊急連絡先をもらっただろ?今すぐそこにかけてみさきの位置を確認しろ。電話を切ったらすぐやってくれ」

かがみんに言われて赤司君にお願いしたときに緊急の場合にかける連絡先をもらっていたことを思い出してすぐに電話を掛けた。


1コールなり切る前に電話がつながった。

「保護対象者緊急連絡です」

「先日契約した黒須みさきの位置をすぐに調べてください!」
不安で涙がボロボロこぼれて止まらなかった

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