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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


佐伯さんとタクシーに乗って佐伯さんおすすめの飲食店に向かう。

道もお店も比較的空いてて隅のボックス席に通してもらった。
万が一同業者に情報が漏れて撮影前に案が盗まれたら責任が取れないから、とりあえず小声で広告を作る内容とは分からないように話すことにして会議室での打ち合わせの続きを始めた。


黄瀬君のツリーをの打ち合わせを終わらせて今度は青峰君のツリーの打ち合わせに入るけど、サイズも一般的だしデッサンも簡単だからさほど時間はかからなそうだった。

「すみません。お手洗い行かせてください」

「あ、僕もお手洗い行きます」
休憩がてらお手洗いに入ってスマホを確認するとさつきからメッセージと着信が入ってた。既読が1件だったから美緒は接待が長引いてるのかなって思って気にしなかった


(ほんとに大丈夫?何かあったらすぐに連絡してね。スマホは絶対切っちゃダメだよあたしも12時頃そっちに戻れそう)

(大丈夫だよ。ご飯食べながら人気のある所にいるしもう30分もすれば終わるから。また連絡するね)


席に戻ったらもう佐伯さんは戻っててテーブルが片付けられて暖かいお茶が提供されていたからそれをゆっくり飲みながら打ち合わせを進めていく。

少し寒かったから暖かいお茶がありがたかった。

「大人な雰囲気にするならオーナメントは少なめにして色もまとめた方がシックな感じになるので、全部白いツリーでオーナメントも白にするっていうのもありかなって思うんですよね」

「なるほど。全部白なんて思いつかなかったです。知識があるって本当に羨ましいです。僕ももっと勉強しないといけないですね」

打ち合わせをほぼ終えて、既にお茶を飲み切ってから20分が経っていて店員さんの視線も痛かったから、そろそろタクシーを呼んで待ってる間に残りを済ませようということになって佐伯さんが電話をしに席を外した。




佐伯さんが席を立って少ししたところで急に猛烈な眠気が襲ってきて目を開いていられなくて座っているのもしんどい。

なにこれ…なんでこんなに眠いんだろ…

「黒須さん?」

「くろ…さ」

佐伯さんがあたしを呼んでいる気がして返事をしたいのにうまく言葉を発せない。

「……」
多分何か言ってると思うけど今まで感じたこともないような体がふわふわとする感じに襲われて急に意識が遠のいた。


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