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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


すっごく申し訳なさそうに聞いてくるから同じ商品に携わる上で必要なら手を貸すべきだし、彼女がいるなら別に警戒の必要なんてないし何より仕事だから話を聞くことにした

「それっていつまでに知りたいですか?」

「一応3日後に提出なんで、仕事の兼ね合いもあって明日までにはまとめておきたいんですが」

「あたし、明日はちょっと無理なんですけど、今日はこれで終わりなので今日なら大丈夫ですよ。多分会議室もまだ人がいるはずですし戻って打ち合わせしましょう」

「いいんですか?」

「同じチームなので一緒に頑張りましょう」

「お忙しいのにすみません」

申し訳なさそうにする佐伯さんと会議室に戻って黄瀬君の撮影に使うツリーやオーナメントの色と種類をどうするのか打ち合わせをしていく。

会議室には数人が残っていたけど会社の決まりで外部の人間は7時には出なきゃいけない事になっていたから内部の人から出るように言われて会社を出る。

「黒須さんのお陰でかなり進みました。ありがとうございます」

「お力になれてよかったです」

「これを参考にして帰宅してからも徹夜でやれば明日までにはできそうです」って人懐っこく笑う

「徹夜するんですか?」

「ちょっと社の方の仕事も立て込んでて時間があまりないんですよね」

「私でよければお手伝いしますけど…」

「本当ですか?でも黒須さんもお忙しいんじゃないんですか?」

「明日はちょっとお手伝いできないんですけど、今日は大丈夫ですよ」

「じゃあお言葉に甘えさせていただいていいですか?食事摂りながらやりませんか?お礼に御馳走させてほしいですし」

「そうですね。食事摂らないと頭働かないですよね。御馳走なんて…自分の分は出させてください」

人気のないところで一緒にいるのはさすがに嫌だったから食事をしながらの方がありがたかった。

あの質問をされただけであんなに取り乱した自分が馬鹿みたいに思えた。
きっとあたしが恐怖を感じた目つきやため息だって別に意味なんてなかったのかもしれない。

それでもあたしを心配してくれてたさつきと美緒に言わずに佐伯さんと打ち合わせするのは気が引けて一応メッセージを送っておくことにした。

(佐伯さんの事勘違いしてた。彼女いるみたい(笑)今日色のことで相談されたからこれから打ち合わせしてくるね。2人ともお疲れ様)
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