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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


紫原さんだ。
やっぱりいつみても大きい
隣にはこれまた長身の優しそうな美人さん。

「あ、むっくんの彼女さんですか?」

さつきがニコニコ話しかける。

「ちょっとさっちん。顔近すぎ。びっくりしてんじゃん」

「初めまして。お噂は聞いてます。敏腕マネージャーのさつきさんですよね?」

「やだー!照れますー!」

結構満更でもなさそう


さつきがあたしと美緒を紹介してくれて挨拶を交わす。

「むっくん聞いてよ…大ちゃんが一回やるって言った仕事を断ってくるの。どうしたらいいと思う?」

「え~峰ちん説得したいならそこにいる彼女にしてもらえばいいじゃん?」


え…?

なんであたしを見てくるの!?

そんなに見られても……

「あ、あの…あたしは彼女じゃないですよ!なんで紫原さんはいつもそう言うんですか??」

そう。紫原さんはなぜかあたしを青峰君の彼女だって言う
そんなことあるはずないのに

「えーなんだまだ付き合ってないんだ。クルーズディナーまでもう少しだよ」

嬉しそうに隣のすみれさんに笑いかけてる

あ、なるほど。あたしがあの時青峰君と話してたからチケットが貰えなくなるって心配してるんだ。

まだ付き合ってないんじゃなくて女として見られてません…

「青峰君はあたしの事好きじゃないので彼女になるとしてもあたしじゃないですよ」

「さっちん、峰ちんに頑張れって言っといて~。じゃあねぇ~」って手を振って彼女と行ってしまった。


緩すぎる。そして彼女はすっごく背が高かった。多分180くらいあった。
モデルさんみたいでめちゃくちゃ羨ましい。

「あたしより背の高い女の人に会ったの久しぶり…」


美緒も170㎝以上あるから女の人としては高いけど黄瀬君とはちょうどいい身長差

青峰君は195だから美緒くらいの身長の人だときっとすっごくお似合い、なんて考えて自分が背が低いことをまたコンプレックスに感じた。

「とりあえずなんか借りなきゃね」

さつきに言われてDVD選びを再開した。

自分の気持ちが投影されてるのかあたしの選んだDVDは身長差のある二人の恋愛だった。

さつきは幼馴染との恋愛もので美緒は有名人との恋愛もの。

さつきは大ちゃんが彼氏なんて絶対やだけど幼馴染との恋愛ってどんなものか興味あるとか言ってそれにしてた。

青峰君の彼女なら絶対幸せだと思うけどな…
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