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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


フレグランスの件の打ち合わせは週に2.3回のペースで進められてプロモーションの形がだんだんはっきりしてきた。

自宅での打ち合わせも並行して進めているけどその日はみんなでお泊り会になるから今日も3人で朝ご飯を食べてからそれぞれの仕事に向かう。

突然のお泊り会って何回やっても楽しいんだよね。


現場について用意を済ませてスタイリストさんとの打ち合わせを済ませて今日のクライアントを待つ。

「おはようッス」

「おはようございます。よろしくお願いします」

ちょっと久しぶりの黄瀬君。

多いときはほぼ毎日お仕事で会うしどんなに少なくても週に3日くらいは絶対お仕事をもらってるけど最近は仕事が立て込んでて1週間ぶりだった。


「そういえば、俺桃っちのとこのフレグランスのイメージモデルやることになったんス」

うん。知ってる。今大我と青峰君にオファーしてる最中だしね。

「うん。聞いてる。そのフレグランスあたしもちょっと関わらせてもらってるから撮影の時は多分一緒にやらせてもらうことになりそうだからよろしくお願いします」

「それで最近よくあっちの会社と打ち合わせしてたんスね」

「実はそうなんです」

「メイクみさきっちにお願いしたいっス」

「それがね、今ちょっとどうなるかはっきりしないの。いつもお世話になってるし、したい気持ちもあるんだけどちょっと今回人数多くて1人では無理そうだからメイクチームを組むことになってるの」

「そっか。3種類あるし女のモデルさんも使うんスもんね」

それもそうだし、青峰君も大我もあたしを使ってくれるって言ってたし、中野チーフはあたしをセクションチーフにって言ってくれてるけどセクションチーフになれば担当のアクターはいなくてメイク全体の統括をすることになるから今すぐに返事ができない。


黄瀬君との仕事が終わってから中野チーフと打ち合わせになってるからその時にどうするか聞くことにした。


はっきりと返事ができないのにそれでも「できたらみさきっちにお願いしたいっス」って笑ってくれる黄瀬君は本当にいいクライアントさん。

さすがにどう転んでも3人は無理だしどうしようか…

基本は早い順だけど今回はちょっと状況が特別だからどういう風にするか決まってからみんなに返事をしよ。
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