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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


青峰君と電話を代わったさつきがあたしがメイクに入ることや、企画の案があたしの考えたものだって青峰君にばらしたせいでものすっごく恥ずかしいんですけど。


まさか青峰君と大我がモデルの候補に挙がるなんて思ってもいなかったから恋愛をどう捉えてるか普通に話しちゃったけど、一部はあたしの主観だからそれを知られると思うともう今すぐに脱走したい。

それでもさつきの説明がよかったのか悪い返事ではなさそうでさつきから電話を受け取った

「もしもし」

「今さつきんとこと仕事してんのか?」

「そうなの」

「忙しいんだな」

「この仕事は初めてだからまだ不慣れなんだけど結構楽しい。さつきと美緒が一緒だからだと思うけど」

「イメージモデルお前がメイクしてくれんならやる」

「ほんと⁉でもあたしメイクでどの立ち位置で入るか分からないからすぐに返事ができないんだけど…」

「ライアンが断ればできねーけどそうじゃなきゃ別に問題ねぇよ。撮影もシーズンオフだし」

「ありがとう!さつきに言っておくね」

「あぁ。頼む」

これから練習だという青峰君に行ってらっしゃいを言って電話を切ると二人ともニタニタとこっちを見てくる。

「大ちゃんなんだって?」

「エージェントがOKであたしがメイクするならモデルしてくれるって」

「青峰さん内容も聞いてないのにいいのかな?」
あたしもそれ思ったけど、巨乳のモデルを用意すればいいと思うの。あたしとしては嫌だけど仕事だもん。

「大ちゃんがいいって言ったんだからここは責任を持ってやってもらおう!」
さっきまでのしおらしかったさつきはもういなくて肩の荷が下りたせいかいつもよりも元気な気がする。


「とりあえず青峰君はOKってことだよね?」

「「うん!成功したね」」って喜んでる二人。

まだ大我に連絡をしてなくて気が重いあたし。


これで大我にヤダとか言われたらチーフになんて言えばいいの?

「とりあえず火神さんに連絡してみなよ」

「そうだね」

スマホで久しぶりに大我の連絡先をタップするとコールがし始めて緊張してくる。

大我に電話するのに緊張するなんて初めて。


ブツリと独特の音が聞こえて大我の声が聞こえてきた。

「おぉ。どうした?」
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