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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


sideさつき

「うちの会社で今年のクリスマスに出すフレグランスの話があって、そのモデルをきーちゃんと大ちゃんとかがみんでって話が出てるの」

「なんだそりゃ…」

「企画が始まった時はこんなことになると思ってなかったんだけど…他のグループから大ちゃんとかがみんの名前が挙がってチーフがそれを採用したの」

「めんどくせぇなぁ」

絶対言うと思った。バスケ以外だと「ヤダ」「めんどくせぇ」「だりぃ」が口癖の大ちゃんだから絶対どれかを言ってくると思ってた。

「もちろんちゃんとしたオファーはエージェントを通すんだけど、8月とか9月に撮影なんだけどやってくれる?」

「内容による」

「内容はまだ本決まりじゃないから言えることはほとんどないんだけど、メイクとしてみさきが入ることはほぼ決まってる。そもそもこのフレグランスの企画はみさきの案がベースだし」

ここで女性を起用することを話して断られたらたまったもんじゃない。どうせ正式に契約するまでには説明もするし時間もまだあるんだから今は絶対言わない。
そしてみさきには悪いけど大ちゃんを説得する一番の近道はみさきしかないからみさきをダシにしてOKを取り付けたい。

「はぁ?みさきとお前の会社の商品とどんな関係があるんだよ」

「うちフレグランス部門が超弱くて100周年に合わせて大々的にフレグランスを宣伝しようってことで社外からも人を集めてプロジェクトが組まれたの」

「エージェントに連絡入れろっつとく。そっちの連絡先寄越せ」

「やってくれるの?」

「内容によるっつーの。みさきに代われ」

「スケジュール的には?」

「シーズンオフだからできなくはねぇ。いいからさっさとみさきに代われって」

内容が分からないからまだはっきりした返事はもらえなかったけどみさきの名前を出したせいかヤダとは言われなくて一安心。

それにしてもみさきに代われって2回も言う?
どれだけみさきが好きなの?

まぁみさきも大ちゃんの事大好きだけどね。
もちろんそれは教えてあげない。

だって苦労して手に入れたものの方がありがたみがあるでしょ?

みさきと思いが通じたときに絶対大事にしようって思って欲しいからあたしはちょっとお節介を焼くだけ。




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