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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


side青峰

ねだられたわけでもなく女に何か買うなんてみさきが初めてだった。


プレゼントなんて選ぶのもダリィから一緒に行って欲しいと言われたものに金を出していればそれでいい。
金を出しておけばガタガタ文句も言われねぇし、女も満足気だし使おうが使うまいがどうでもいいと思ってた。

みさきは何でも自分で買おうとするし、何でもかんでも欲しがったりはしねぇのに、なぜかみさきに似合いそうだと思うと俺が買いたくなる。

不思議な女だなって思うけど、みさきは俺が贈ったものを大事にしてくれてるし、さつきからちょいちょい送られてくる写真には俺が贈ったものを身に着けてるのが写ってて何とも言えない満足感がある。

多分独占欲ってやつだ…

好きな女を自分の色に染めたいって思う感情があるらしいけど、多分それと同じ類のものだな。

NYでCEOとの食事をしたときに、俺の贈ったドレスと靴とアクセサリーを身に着けたみさきを見たときにすげぇ満たされた気分になった。

今までは女が何着てようが全然気にしたこともなかったのに、みさきのことは緑間の結婚式で見たときからなぜか気になってしょうがなかった。

多分俺はみさきを一目見たときから惚れ始めてた。
さつきと話してる後ろ姿を視界にとらえて“華奢だな”って感じたときからみさきを目で追ってた。
巨乳な訳でも、グラマーな訳でもないけどなぜか目が離せなかった。


体系だけで言えば俺の好みとはかけ離れてんのに、空港で初めて抱き寄せたとき、今まで感じたことのないしっくり感とみさきの体温がめちゃくちゃ心地よくて誰にも取られたくねぇって思った。

NYでのことを思い出せば出す程会いたくなって、みさきからの連絡が欲しくて、いつもスマホを持ち歩いてる自分がすげぇおかしいって思うのにみさきを好きでいることがやめられねぇ。


多分これが本気で好きってことなんだろうと27年間生きてきて初めて分かった。

時計やマフラーもすげぇ嬉しいけど、俺に人を好きになるってことがどんなことなのか教えてくれたことが1番デカいプレゼントなのかもしれねぇって柄にもないことを思った。
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