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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


「そろそろ電話する?」

「待って心の準備させて」

このやり取り何回目??
全然電話する気なくない??

さつきの長い心の準備を待ってると、あたしのスマホがなり始めた




「あ…青峰君だ」

「早く出て出て!」

美緒に急かされて通話に切り替えて寝室に入った。

やっぱり片思いの相手との会話を聞かれるのは恥ずかしい。


「おはよう」

「おぉ。はよ。届いたみてぇでよかった」

「びっくりした。一瞬送り返されたのかと思ったの」

「なんでだよ。せっかくもらったのに送り返さねぇよ」

「ホントすっごい嬉しい。お返しできる頃にはもう60歳とかになっちゃうかもしれないけど死ぬまでにはお返しするから」

「そんなこと考えんなよ。お前に似合うと思ったからそれにした」

「ちょー分不相応だけど、本当にすっごく気に入ったからここぞって時に着けさせてもらうね」
ホントこんな時計できる程あたしは何かを成し遂げたわけじゃないんだけど、せっかくあたしのことを考えて選んでくれたのに着けないなんて考えられなかった。BOSSからもらったバッグもこの時計もあたしが身に着けるのにふさわしい人間になりたい。

「全然分不相応じゃねぇよ。すっげぇ努力してんの知ってるし、俺はお前の事めちゃくちゃ尊敬してる」

「あたしも青峰君の事すっごく尊敬してる。それにあたしより青峰君の方が全然努力してるもん」

「んな事ねぇって。お前がモデルしたときの話はマジで驚いた」

「あれ、絶対内緒にしてね。さつきと美緒に知られたら恥ずかしすぎる」

青峰君に知られてメイクブックを見られた時は死ぬほど恥ずかしかった。

「分かってる。言わねーよ」って青峰君がすっごい笑ってるから切り出すなら今だと思ってさっき相談した通りに青峰君に聞いてみる。

「あ、今ねさつきといるんだけどちょっと話があって代わってって言われてるから代わりたいんだけどいいかな?」

寝室から出てリビングに行くといつも通りニタニタしてる美緒と表情の硬いさつき。

「またさつきといんのか。さつきの話が終わったらもう一回代われよ」


笑ってる青峰くんに返事を返してさつきに電話を渡した


「あ、大ちゃん邪魔してごめんね、あのね、ちょっとお願いしたいことがあるんだけど…」
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