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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


忙しさに翻弄されながらも仕事は順調で、あと少しで年が明ける。

黄瀬君が年末特番の司会をしてるからもちろんあたしも仕事。

黄瀬君の和装を撮って放送が始まってから美緒に送ると(今テレビで見てるけど和装かっこいい)って嬉しそう。
美緒は黄瀬くんとは過ごせないし弟もいるから実家で過ごすって言ってた。

さつきは黒子君と2年詣りに行くって言ってたからきっとお着物着ておしゃれしてるんだろうなって思ったら笑みがこぼれた。


CMの合間に黄瀬君のメイクを直してすぐにスタジオに返すからあたしもずっとスタジオにいて、5時までの特番だから裏方も体力勝負でみんなクマを作りながらも“あと5時間だよ”って励ましあいながら仕事をしてる。


年明けまで1分を切ってカウントダウンの用意がされて残り10秒になったところでスタジオの観客全員でカウントダウンが始まる。

あたしも小さい声で5,4…ってカウントしながら年明けの瞬間を待った。

【3…2…1!!!!! happynewyear!!!!!】

出演者と観客のカウントダウンの後、黄瀬君が特大のクラッカーの紐を引いてスタジオにいろんな色の紙吹雪が舞って新年の幕開け

裏方もみんな撮影の邪魔にならない程度に新年の挨拶を言い合いながら、今年もいい1年になりますようにって心の中で呟いた。

次のCMまでの時間を確認してプライベートのスマホを取り出して入力しておいた文字をそのまま青峰君に送った。

(明けましておめでとうございます。去年は本当に色々ありがとう。今年もよろしくお願いします)

すっごい普通……

気の利いたことが言えれば苦労しないけど思いつかないからこれしか送らなかったし、青峰君はあと半日残ってるから迷ったけどこっちは年明けしたよってことで送るって決めていた。


5時までの生放送を無事に終えて帰宅すると既に日が昇っていたけど猛烈な眠気と疲労でベッドに直行して泥のような睡魔に逆らえず夢の中に引きずり込まれた。
















あ………スマホの着信音……

…多分ママだ

そっちも年が明けたんだよね…

「ん…まま?」

「俺だ」

「あおみねくん?」

「悪りぃ起こしちまったな」

「もう起きるからいいの」

年が明けたらママからの電話が来るって思ってたからそれで起きようと思ってたから青峰君からの電話でびっくりした。
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