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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


プレゼン自体は年が明けを予定してるから急ぐ必要はないけど前倒しでできるところはどんどん進めていく。

「恋愛要素のあるストーリーって言ってたけどみさきの具体的なイメージってある?」

「あたしは最初この色って火に似てるなって思ったの。火が付き始めたときの不安定な黄色、見た目には一番燃えてるように見える赤、温度が一番高いけど安定した青」

「それじゃ火の話になっちゃうじゃん」

「あ、続きがあってね、ここからはあたしの超個人的で尚且つ主観でしかないし、実際に経験したことがある訳じゃないからあくまでイメージなの。リアリティに欠けると思ったら却下してね」

この色に決まった時からずっと思っていたことがあった。火と恋は似てる。段階を追うごとに温度が高くなって安定していくんじゃないかってこと。冷めていくのとは違うのに深くなればなるほど落ち着いていく。

「聞かせてくれる?」
電話で席を外していた中野チーフも合流して4人での打ち合わせが始まった。

「好きになりたてで恋をしたことで細胞が活性化されて、なんてことない日常がキラキラしたりするのが黄色。付き合って相手を知ることでもっと好きになる誰から見ても気持ちがピークの興奮状態が赤。赤の興奮状態が落ち着いて、どんなことが起きても信じ合えてゆるぎない関係でお互いが必要不可欠な存在になった時が青。ってイメージかな。だから一つ一つにストーリーがあるって言うよりはこのライン自体がストーリーになるってイメージ」

「でも1つずつにストーリーがあった方がよければこれは全然ダメ…」

「それで行きましょう」

あたしの言葉を遮って中野チーフが声を発した。

「あたしもいいと思う」ってさつきが賛同してくれる。
「仕事だと恋愛マスターみたいじゃん?」って笑ってくれる美緒。

でもこれは恋愛をすると人間の脳内でどんなことが起きるのか知りたくて調べたときに脳内で起きる変化について書かれていることを読んだことがあったからそれを色のイメージにに当てはめただけだった。

でも黄色の“日常がキラキラした”ってところだけはあたしが青峰君を好きになってから感じた気持ちだった。

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