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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


side青峰

遠征から戻ってネロを連れて帰宅するとハウスキーパーからのメモがあって、荷物が届て個人からの物だから開けずに金庫に入れてあることが書かれてた。

ハウスキーパーには留守でも家の掃除に来てもらってて、スポンサー企業やらテレビ局やらから届くものは開けていいし、食い物なら持って帰っていいって言ってあるけど、それ以外の物は帰る時に金庫に入れて置くように頼んであったから今回もそうしてくれていた。

個人からならどうせ黄瀬だ。
欲しくもない写真集をあいつはいつも送って寄越す。

疲れていたこともあって荷物は明日見ればいいと思ってネロの世話だけ済ませて今日は寝ることにした。


久しぶりの自分のベッドは快適でよく眠れたおかげで朝はスッキリ起きれてネロと軽く走りに行ってからシャワーを済ませて荷物を確認するために金庫を開けた。

予想通り黄瀬からの冊子らしき物と予想外の箱が1つ。

なんだこれ。誰からだ?

黄瀬からの冊子は後にして箱を取り出して送り主を確認すると慣れたように筆記体で書かれた“Misaki Kurosu”の文字。

マジかよ…昨日見りゃよかった。

箱を開けて緩衝材をどけるとクリスマスカードが見えてそれを開くとあいつらしくシンプルなメッセージだった。

こんなん初めてだな…

シーズン中は女と連絡を取らなかったからこんな風にクリスマスに女からなにか貰うなんて今まで1度もなかったし別に欲しいとも思ってなかった。

でもみさきから貰えんならなんでも嬉しい。クリスマスカードだけだって充分なのに箱の中には綺麗に包装された包みが2つ入ってた。

サングラスと同じところの包を開けると黒のマフラーで、一見するとブランドは分からねぇけど隅に小さく黒い刺繍がある。
俺ははあからさまにブランドだとわかるデザインはあんまり好きじゃねぇけど、作りや素材はこだわりてぇからこれはすげぇ好き。
みさきにそんな事は一言も言ってねぇのにしっかり好みのものを選んでくれる辺りさすがだな。

それに色もただの黒ってよりも少し灰色っぽい色でイタリアの有名な車のネロカラーってのによく似ててマジでセンスがいい。
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