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最愛 【黒子のバスケ】

第9章 優しい嘘


「美緒ってすごいね。なんか羨ましい」

ポロリと口から出た言葉に、美緒がびっくりしたようにあたしを見てる


「え?何が⁉」

「だってあたしなら好きな人がこんな風に写真撮ってたら絶対ヤキモチ妬いちゃうと思う。撮ったあたしがこんなこと言うのもあれだけどさ…」

「今青峰さんの事考えてたでしょ?」

「そうじゃないけど…」

そうです…
青峰君が女の人と楽しそうに写ってたら多分ヤダって思っちゃう
付き合ってる訳じゃないのにこんなこと思うなんて変だって分かってるけど

「あたしも最初はこういうの見て泣いてたの知ってるでしょ?」

「まぁそうだけどさ」

「そうそう。会社でもどんよ~りしてね」

美緒からはよく黄瀬くんの話を聞いてるし、すれ違ったり喧嘩になったりってことも何度かあった

だけど仲直りの度に2人の絆は強くなって、信頼関係も堅いものになっていった


「でも、いつもあたしの目をちゃんと見て“俺の言った事だけ信じて”って言ってくれる。それにこの顔が仕事用だってことも分かったの」

やっぱりいいな…
本当に好きな人と2人だけの信頼関係って憧れる



「そろそろ行こっか!」

ゆっくり出来たし、美緒の幸せな話も聞けたし
さつきに言われてプレゼント探しの続きを始めた

百貨店を出て路面店も見てるのにいいのがなくてもう夕方
あちこちに飾られたクリスマスツリーが点灯して夕方の街をきれいに彩る


白のオーナメントと青の電飾だけが付いた大きなツリーが目に入って吸い込まれるようにそっちに足が動いた


ツリーの正面に回ったことで今まで見えなかったお店のディスプレイが見えてそこにある腕時計が目に留まった



「決めた」


勝手にツリーに向かって歩き出したあたしについてきてくれた2人と一緒にお店に足を踏み入れた


「いらっしゃいませ」

「あの、ショーウィンドウのディスプレイにあるの見せてほしいんですけど」

「かしこまりました。お色違いもありますので是非」

そう言って出してきてくれた時計の中から黒を選んだ

「有料オプションですが、お好きなベルトをオーダーできるチケットがあるんですがいかがいたしますか?」

「じゃぁそれも一緒にお願いします」

なんか青峰君は黒って感じがするって勝手に思ってるけどベルトが変えられたらいいかなって思ってそれも一緒に付けてもらうことにした
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