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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


side青峰

20分してもかかってこなくて、やっぱり寝ちまったかと思ってネロにおやつを上げて撫でてたらスマホが振動した。

みさきからの着信は画像設定してあるからすぐにわかる。

一回電話に出て折り返しを掛けると「もしもし」って声が聞こえた。

さっきは風呂で寝てたって聞いて焦ったけど、今はベッドに寝転がってるっつーから安心した。

仕事が好きなみさきは、忙しいことを嬉しいっつってるけど、無理はしてほしくなくてそれを伝えると、か細い声が少し聞こえて途切れた。



こりゃ寝たな

聞こえてないことは分かってたけど、おやすみだけは言って電話を切った。


少しだけでも声が聞けてよかった。

明日の試合はいつもより頑張れるかもしれねぇわ。
みさきが心配で掛けたのもあるけど、やっぱり俺がみさきの声を聞きたかった。


みさきははっきり喋るし聞き取りやすい声だけど、今日はすげぇ眠いせいかのろのろと話して、たどたどしかった。
でもそれすらも可愛い。


今まで俺はシーズン中は絶対女と連絡なんて取らなかった。

バスケだけに集中したかったから取る気にもならなかったし必要ともしてなかった。


でもみさきとはいつでも連絡を取りたいと思うし、“頑張れ”とか言われたら、どんな点差で負けてても逆転できそうな気がする。
試合前も試合後も、負けても勝ってもみさきの声なら聞きたい。

みさきの存在自体が俺にとって一番の力になる気がした

今までかつてない程に一人の女に惚れて何よりも必要としてる


(もし時間取れそうならそっちの今夜7時頃連絡くれ)

試合は10時からで2時間前には会場入りする。会場入りしたら電話してる時間は取れねぇからその前に声が聞きたい。


昔は応援にそんなに大きな意味なんて感じてなかったけど、ギリギリのクロスゲームで一番力が湧くのはファンからの声援やベンチの奴らの声援。

前に1ゴール差で負けてた時、SGの彼女のチアが大声で声援を送ったのが聞こえたのか、その日3Pの決定率が悪かったSGが土壇場でリングにかすりもせずブザービーターを決めて勝つことができた。

多分好きな女からの応援ってのはそういう特別な何かを持ってるんだと思う。

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