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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


side青峰

明日は試合があるから午前練習を終えたら午後はオフでネロと過ごす。

ホームでの試合だから移動も少なくて状況としては有利だけど、試合はそんなに単純でもねぇ。

最近ではホーム有利説崩壊とか言われてるしな…


ネロと遊んで明日の試合の為にユニやらバッシュやらを用意して昼食を済ませる。

スマホにメッセージが届いていて今度こそみさきかと期待したのにまた黄瀬だ。

どうせろくなことを言ってこないと思ったけどメッセージを開いてみて驚いた。

“今スタジオ出た”っておいおい…
遅すぎだろ。あいつマジで働きすぎ。

受信時間は1時間前で連絡をするのをやめようかと思ったけど気になって“寝れてるのか?”って一応返してみると少し時間をおいて返信がきた。

(多分昨日は寝てないッスね。今日も朝からだったし)

マジかよ…

俺らみたいなスポーツ選手は寝る時間がないなんてことはほぼねぇ。体が資本ってのもそうだけどそんなんどの仕事だって同じだ。

電話しようか迷って、すぐに掛けるのはやめて向こうの日が昇ったころに掛けようと決めた。




時間を見て5回鳴らして出なければ寝てると思って切ろうと思ってみさきに電話をした。

3回…4回…5回…切るかと思って耳からスマホを離した直後に画面が通話に切り替わった。

「…はい。くろすです」

いつもよりゆっくりした声で寝てたんだと思って掛けたことを後悔した。
俺が謝るといつもより響くとこで、眠そうに話して、夢か現実かもちゃんと区別出来てねぇ。

寝ぼけてるんだと思って大丈夫か聞いたら、風呂で寝てたらしい。

溺れたらあぶねーだろ…電話してよかった。

とりあえず風呂から出るように言って電話を切ろうとしたら、あとで電話していいかなんて可愛いこと言われて、待ってるって言てぇところだけど、ここで俺がそう言ったら律儀なみさきだから眠くても無理してでもかけてきそうだった。

「眠くなきゃして来い。眠かったら寝ろ」

「ちょっと電話したら寝る」

眠そうなのは明らかで、寝かせてやる方がいいのは分かってる。
でも、みさきの言葉一つ一つが全て可愛くて、少しでもいいから声を聞いてたくて、電話をするってみさきが言ってくれたことがすげー嬉しかった。


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