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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


今日は何とか撮影を終わらせたいという気持ちはみんな同じだけど、疲労が溜まってるせいかピリピリモードで雰囲気はよくない。


これじゃ今日も終わらないな…なんて思ってたら救世主の登場

「遅くなりました。よろしくお願いします!」

明るい声で黄瀬君とマネージャーさんが入ってきた。

黄瀬君は朝から生放送の番組があって、この撮影に入るのは午後からだって聞いてたけど、早めに来てくれてマネージャーさんの手には差し入れがある。

「少し早いけど休憩に入りましょう。2時間後に再開でお願いします」

差し入れを受け取った現場責任者から声がかかって、休憩はだいたい1時間なことが多いけど、疲れを察してかいつもより長く休憩が取られた

黄瀬君がみんなから好かれるのってこういうところだと思う。
多分黄瀬君は寝てない。
それでも疲れは見せずに、一つ仕事をこなしてから差し入れを持って明るく来てくれる。

朝の生放送のメイクは局の方でやったけど、雑誌のメイクはあたしが担当。
黄瀬君の差し入れを食べてからメイクに入った


「黄瀬君、お疲れ様です」

「みさきっちもお疲れッス。寝れた?」

「うん。寝れたよ。まだ時間あるし寝るなら起こすから寝ても大丈夫だよ」

「じゃあ少しだけ」

控室のソファに横になって目を閉じた黄瀬くんの目元にはうっすらとクマがある。

美緒に連絡しよ。

(黄瀬君お疲れ気味なので癒してあげてね)

打ち合わせの資料を確認してからメイクの準備をして、時間まであたしも目を閉じた。
黄瀬くんは仰向けでクッションに頭を乗せてるから平気だと思うけど!念のため少しだけ早めに起こそ。



あたしのスマホのアラームが鳴って黄瀬君を起こして、椅子に移動してもらう。

大我と違って黄瀬君はすんなり起きてくれるからいい。

「ちょっとだけマッサージするね」

「よろしくッス」

肩をさすってると黄瀬君の頭がカックンカックンして寝てる。

可哀想だけど起こさないとむくみが出ちゃう。
冷たいタオルを絞ってきてから起こすことにした。


「黄瀬君。ごめんね。起きれる?」

「あ、ごめん。寝ちゃってたッス」

「これ目に当てる?」ってさっき絞ったタオルを渡すと受け取って目に当ててる。

肩と首をマッサージしてメイクを始めると黄瀬君も目が覚めたみたいであっという間にイケメンモデル黄瀬君の完成。


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