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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


11月に入ってからはクリスマス向けの商品の特集と年末の和装特集などで休みがない。


今日はクリスマスジュエリーの特集でメイクに呼んでもらった。
クリスマスコフレとクリスマスジュエリーを絡めて撮影する為多くのモデルさんや女優さんを呼んで俳優も入る。

打ち合わせ通りで変更がないかを確認していると何度か一緒に仕事をしてるスタイリストさんから声をかけられた。

「そのピアス…NY限定でオンラインにすら載ってないのに……よく手に入りましたね!」

「あ、9月にNYに出張があって…頂き物です」

「黄瀬さんが言ってたことって本当だったんですね!かっこよくて太っ腹なんて羨ましいー!」

「え?」

「黒須さんにすっごくかっこいい彼氏がいるって噂ですよ」

ひえー!!!なんか話が大きくなってる。
あの時黄瀬君は“彼氏”なんて一言も言ってない。

「あはは…ご想像にお任せします」

いませんなんて言ったらまた黄瀬君狙いの人たちに目を付けられて面倒だし、いますなんて堂々と嘘を付けるほど厚かましくはない…ハズ。

「ちょっとモデルさんと打ち合わせあるので失礼します」って言って逃げた


打ち合わせ通りの内容で撮影が進むけど、クリスマスや年末特集は裏方だけじゃなくてアクターもすっごく疲れているせいか中々思うようには進まず、結局朝方まで撮影が続いたけど撮り終えることができなくて明日も撮影になった。

帰宅したけどきちんと寝る時間は取れそうになくて、とりあえずお風呂に入って今日のスケジュールを確認した。
元々撮影の予備日だったから明日も引き続き同じ現場になる。

昔眠れなかった時に真太郎がくれたピアノクラシックのCDを小さい音で流して目を閉じた。


2時間の仮眠で少しだけ軽くなった体でストレッチとヨガをしてすっきりせて、肌の調子も万全とはいかないけど軽くメイクをしてタクシーで現場に向かった。
さすがに寝不足の時は自分で運転はしない。


同じ現場に入ると明らかに家に帰れてない人も何人かいる。

「おはようございます。徹夜ですか?」

「そうなの。終わったら今日は社には戻らないで直帰する」

「仕事中倒れそうなくらい眠かったらこれどうぞ」


本当はあんまり飲まない方がいいけど、飲まないと寝ちゃいそうなときはあたしも飲むから、繁忙期にはバックにいつも入れてる栄養ドリンクを渡した。
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